衛星画像を農業に応用、世界中の農地で生育状況を一手に把握する珈和科技のリモートセンシング技術

リモートセンシング解釈技術を農業に応用する企業・珈和科技 (JiaHe Info、ジアホー・インフォ)が、シリーズAラウンドで数千万元の資金を調達したことが2018年7月3日にわかった。キャッシュ・キャピタル(国科嘉和)をはじめ、従来の出資方であるオプティックス・ヴァレー・エリート・インベストメント(光谷人才)から調達した資金は、研究開発、マーケットへの投資拡大や、産業全体の資源統合の加速と、他サービス機構との協力関係構築に使われる。

衛生撮影画像で農作物の生産管理ができる

36Krによる2017年の既報では、珈和科技は2013年初に設立した企業。衛星画像を観測・解析する「リモートセンシング(遠隔探査)」とAI技術を農業と連携し、農業保険・生産管理・農業統計・生産量予測・先物取引と有価証券・農業資源や環境保護などの分野に応用している。

珈和科技は現在、採取データの管理・分析・応用からなるバリューチェーンに基づいて、2つのビジネスプロダクトを形成している。ひとつはリモートセンシングプライベートクラウド、もうひとつは農作物の生育状況や環境を観測・分析するリモートセンシングプラットフォームだ。

リモートセンシングプラットフォームは珈和科技の主要ビジネス製品であり、政府機関、保険会社、農業系企業と金融投資機構を対象にしている。衛星画像の遠隔かつ広域に及ぶ視野、迅速かつ無数に反復するデータ収集能力、継続した観測機能などの特徴を利用して、農業関連の情報提供・分析・予測と早期警報などを顧客に提供する。顧客にとっては、重要なタイミングでしかるべき決断を出すための有効な参考材料になるのだ。

具体的な応用例を挙げると、同プラットフォームは、世界16カ国の農業国で生産される大半の農作物について、その分布・成長状況・生産量・降水量・地温・干ばつなどを含む成長情報を提供できる。位置決定精度は最大で1km。衛星が通過した後は最短30分以内にデータの取得・分析・表示を完了することができる。これは、米農務省などの海外機関によって発表されたデータよりも早い。現在、この種のデータは、中国農業科学院の公式サイトを通じて世界に無料で公開されている。


図:米国植生の成長チャート。8日ごとに更新される

同プラットフォームは国産衛星がはじきだすハイスコアデータに基づいているため、中国国内各地の大規模作物の分布と面積については、最大16メートルの位置決定精度でとらえる。こうしたデータは統計や保険関連など多くの機関で参照され、彼らのマンパワーや時間に関して半分以上のコスト削減に貢献している。


図:中国の大豆畑分布図。発芽から2ヶ月ごとに更新される

さらに、保険の損失測定に関しては、災害前後の画像データの比較によって被災面積と被災生産量を測定する。従来の測定方法を使用するよりも精度、適時性ともに高い。例えば2018年6月、中国北部の大興安嶺で発生した森林火災の際は、鎮火した当日に火災発生前後のリアルタイムの監視画像をみて被害面積を割り出した。

年成長2倍を達成する強みは?

利益モデルに関しては、SaaS(Software as a Service)プラットフォームを通じてデータの販売や分析サービスを提供している。顧客は1年ごとに料金を支払う。大口顧客はすべて自社営業チームが獲得。それ以外の一部の顧客は、チャネルパートナーなどによって開拓された。

共同設立者である陳淑敏(チェン・シューミン)氏によると、珈和科技の年間売上高は年2倍以上の勢いで成長している。2018年度上半期の売上高だけでも、すでに昨年の年間総売上を上回っている。中でも、売上高の80%以上を占める顧客は政府機関や保険会社。その拡大は最も速かった。

珈和科技の強みについて陳氏は、「リモートセンシングとAIを掛け合わせた技術にある」と考えている。珈和科技の擁する技術チームは、リモートセンシング業界で世界最高峰とされる武漢大学からの専門技術チームだ。データのアノテーション技術と処理技術に優れ、「農業リモートセンシング解釈知識のデータベース」と「アノテーションデータベース」を築き、人工知能技術訓練の独自のモデルを使用しているため、適時性や、正確性と実用性には優勢がある。

現在、同社は国内外の農業にリモートセンシングを応用する市場の開拓を加速し、長期かつ戦略的パートナーおよびチャネル・エージェントを求めている。協力の範囲は、農業のマクロ規制、農地の計画と譲渡、作付けに関するコンサルティング、先物取引・投資有価証券分野などでの応用サービスを含む。

リモートセンシング解釈技術を農業に応用している企業は、海外ではオービタル・インサイト社(2017年、Cラウンドで5000万米ドルの資金を調達)、デカルト・ラブス社(2017年、Bラウンドで3000万米ドルの資金を調達)とスペースノウ社などがある。国内にもPiesat(航天宏図)、二十一世紀、ディーコン(地空数馳)、ガゴグループ(佳格天地)などの企業がこの技術を応用している。

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