虹彩認証インテリジェントチップ―「虹識技術」が1.2億元のA+ラウンド融資を獲得
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指紋認証や顔認証は、現在のところ最も広く利用されている生体識別技術だが、虹彩識別技術は高いセキュリティーを実現できることから、市場での巨大な可能性を秘めている。米シンクタンク・アキュイティ社は、虹彩識別技術が世界中のバイオメトリクス市場に占めるシェアについて、2015年の7%が2020年には16%に上昇、関連製品の総生産額は35億米ドルに達し、その年平均成長率は36.6%に達すると予測している。
虹彩認識アルゴリズムの研究開発企業は、産業チェーンにおける技術プロバイダーとして、バリューチェーンの最上流に位置し、おもにメーカーやシステムインテグレーターへのライセンス供与を行っている。イリディアン(カナダ)、アイリテック(日本)、プリンストン・アイデンティティ(米国)、アイリスID(米国)などの海外企業は比較的主導的地位にある。一方の中国内においても、IRISIAN(聚虹光電)、Iris King(中科虹覇)、EYE SMART(釈碼大華)、Wuhan Honshi Technologies(武漢虹識)、SYKEAN(思源科安)などの複数の有名アルゴリズムベンダーが出現している。
36Krは先日、湖北省武漢市に本社を置くWuhan Honshi Technologies(以下「虹識技術」とする)と接触。同社は2015年2月に1000万人民元をPre-Aラウンドで、2016年5月には5000万人民元をAラウンドで、そのあと1億2000万人民元をA+ラウンドで獲得していたことが分かった。今回の融資は、泓御キャピタルがリード投資し、楓和創投などが共同投資を行った。
虹識技術は2011年に創業。コアチームのメンバーは米リンカーン大学、独ゲーテ大学、華中科技大学など、国内外の有名校の出身である。CEOのケルビン・イー(易開軍)氏は36Krの取材に対し、このほど獲得した融資は主に、コアアルゴリズムの強化、チップの開発製造、および市場の拡大に充てる、と語った。
虹識技術はソフト・ハードを含めたインフラ一括プランを提供できる。イー氏は36Krに対し、同社はソフトウェアのアルゴリズムとしても、およびハードウェアでは、独自に開発した虹彩識別用光学のメーカーとしても優位に立っていると語った。
ソフトウェアのアルゴリズム面では、虹識技術は先進的コアアルゴリズムPhaselirs™を保有している。そして、その一大コア技術の強味は、同アルゴリズムをFPGAチップに集約し、虹彩識別インテリジェントチップ「QIAN XIN」シリーズを開発したところにある。イー氏は36Krに対し、アルゴリズムをチップに集約することで伝送時間を低減し、データ処理効率を向上させることができた、と語った。しかし、エッジ算出用メモリ容量に限りがあるため、中小スケールの虹彩画像前処理にメモリの多くを充てることになるとのことだ。
またハードウェアの面において、虹識技術は独自に虹彩識別用光学レンズを開発、さらにユーザーの求めるサイズに基づいて、携帯電話や腕時計用の超小型レンズ、通用口の警備用中型レンズ、そしてカメラに用いる大型レンズを設計・製造する。
イー氏によれば、虹識技術は現在主に1メートル以内の近距離における識別性能を提供していて、金融機関や税関における撮像装置および政府の証明書発行システムに導入されているとのことだ。将来は3メートル以内の中距離での識別、さらに5メートルから10メートルという遠距離での識別機能の開発を行う計画であるとのことだ。
収益の面では、虹識技術はアルゴリズムのライセンス供与とハードウェアの販売を行っている。今年の収入は大口のハードウェア取引によるものが主となる。市場拡大の面では、虹識技術と数十件のシステムインテグレーター、代理店が提携しあい、虹識技術の市場の拡大を行う。
虹識技術には80人余りの社員がおり、その半数以上は開発メンバーが占めている。