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11月26日、「上海汽車集団(SAIC Motor Corporation)」、浦東新区、アリババの三者合弁による新しいEVメーカー「智己汽車」が正式に誕生した。立ち上げ当初の資金調達額は100億元(約1500億円)で、新興EVメーカーの最初の資金調達が100億元(約1500億円)になるのは初めてである。
合弁企業の持株比率は、上海汽車が54%、浦東新区傘下のファンドが18%、アリババが18%、その他が10%である。
アリババと上海汽車は2016年にもコネクテッドカーシステム開発の「斑馬網絡(Banma)」を共同で立ち上げたことがあるが、その後持株比率で合意できず、それにより会社が開発したシステムの更新が遅れ、販売に大きな影響が出たことがあった。2019年8月に、上海汽車とアリババはようやく斑馬網絡の再編について合意し、アリババが斑馬網絡の筆頭株主となった。その後両者の提携は、モビリティプラットフォーム、自動運転、自動車業界向けのクラウドサービスにも広がった。
智己汽車の初期メンバーは200人以上で、半分以上が上海汽車の従業員である。年末までに従業員数は300人になる予定だ。智己汽車の最初の車種はセダンで、年末に冬季テストを行った後、来年の受注開始を目指す。SUVやコンセプトカーの開発も進行中だ。
自動車市場の変革と中国人の購買力の上昇によって、低価格帯の車の販売が低迷している。上海汽車は中国最大の自動車メーカーだが、同社の2019年の販売台数は11.5%減り、624万台にとどまった。
情勢を挽回しようと、従来の自動車メーカーはスマート化、高級化路線を進んでいる。専門家によると、自動車がスマート化されると、自動車メーカーは販売だけでなく、後続のソフトウェアサービスでも収益を上げることができる。そのため、ソフトウェアとサービスも企業の評価額算定対象の一部となり、しかも粗利率が高いため、新興EVメーカーの株価がそれにより高騰しているのだという。
中国では、上海汽車のほか、「東風汽車(Dongfeng Motor Company)」、「北京汽車(BAIC Group)」、「長安汽車(Changan Automobile)」などもスマートカーの開発を行っている。長安汽車はすでにファーウェイ、動力電池大手の「寧徳時代(CATL)」と共同で高級スマートカーブランドを立ち上げると発表した。
従来の自動車メーカーにとって、自動車が変革を迎える中で自身の革新をするには、テック大手との提携が不可欠である。しかし、開発体制や運営をどのように円滑に行っていくのかは、大きな課題となるだろう。
(翻訳:小六)
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