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企業向け労務管理のクラウドサービスを提供する「蓋雅工場(GaiaWorks)」がシリーズD1で5億元(約80億円)を調達した。リード・インベスターは「紀源資本(GGV Capital)」、コ・インベスターはテンセント、シンガポール経済発展庁の投資部門「EDBインベストメント」、「指数資本(Index Capital)」で、既存株主の「マトリックス・パートナーズ・チャイナ(経緯中国)」も出資に参加した。
蓋雅工場は労務管理のクラウドプラットフォームとフレキシブルワークサービスを提供して、企業の労務管理におけるデジタル化を後押ししている。同社のシステムやツールを活用することで、ブルーカラーやパートタイマーなどの労務管理をいっそう効率的に行うことができる。
特に労務計画、実施、評価という3つの面にフォーカスして、企業におけるフレキシブルな人材配置、人件費コントロール、労働効率の向上をサポートする。提供しているサービスには、アルゴリズムと機械学習に基づくスマートシフト、勤怠管理、インセンティブ管理などのソフトウエアプラットフォームのほか、タスクベースのフレキシブルワークやクラウドソーシングなどに対応した雇用管理サービスがある。
2019年1月にシリーズCで資金を調達してから2年ほどの間に、蓋雅工場はいくつもの重要な節目を迎えてきた。
今年1月にスマート労務管理ソリューションをリリース、3月には人材管理システムを開発する「藍灯人力(Landa)」を買収し、ホテル管理の分野に進出した。7月、同社のベンチマーク企業で国内市場最大のライバルである労務管理ソフト「Kronos」が中国市場から撤退。
同社が躍進を遂げた背景には複数の要素がある。まず、顧客の規模が拡大していること。超大口顧客といえば、数年前は5万人規模の企業を指していたのが、今では数十万人規模へと膨れ上がっている。また欧米諸国にも進出するなどグローバル化を進め、地理的な規模も拡大してきた。その上で製品も絶えず改良され、水平方向にも垂直方向にも大きな進歩を遂げている。
Kronosの中国撤退も蓋雅工場にプラスの効果をもたらした。Kronosの顧客が蓋雅工場に流れたのに加え、一定規模以上の企業にとっては中国市場で唯一の選択肢となったからだ。
現在、蓋雅工場の取引先は24の国や地域に及び、その業種は製造業、自動車部品、小売業、物流業、ホテル業など多岐にわたる。世界1500社余りの取引先に在籍するスタッフ500万人以上にサービスを提供している。
中国の労働人口からすると、市場には依然として大きな成長の余地がある。中国都市部の労働人口はおよそ4億人、それに対して蓋雅工場など人材管理サービスのプロバイダがサービスを提供しているのは1億2000万~1億5000万人ほどだ。蓋雅工場では3年以内に1日1000万人の労働者を活性化することを目標に掲げている。
共同創業者でCEOの章新波氏によれば、設立から十数年が経過した今ではSaaSモデルの継続率が99%に達しており、複利効果でキャッシュフローも非常に安定しているとのこと。そのような中で資金調達を行ったのは、歴史的にも特殊なこの時期にビジネスチャンスを逃したくなかったからだ。フレキシブルワークの需要が高まる景気の低迷期にさらなる販売強化を行い、より多くの業種に特化した従業員シェアリングのソリューションを構築することを目指してのことだという。
今回調達した資金は主に2つの方面に投入される。まず機械学習のさらなる応用やフレキシブルワークをベースにした次世代の労働力プラットフォームの構築などの技術開発分野。そして国内市場の強化とグローバル市場へのさらなる浸透という市場拡大の分野だ。
(翻訳・畠中裕子)
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