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中国のシェアサイクル市場は3年に及ぶ混戦を経て、配車サービス最大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」、アリババ、生活関連O2Oサービス大手「美団(Meituan)」傘下の3社に落ち着いた。そして交通手段のソリューションとなるはずだった電動自転車のシェアリングサービスだが、その日は来ないかもしれない。
北京市交通委員会を始めとする関連当局と朝陽区、海淀区が近ごろ、北京市で電動自転車のシェアリングサービスを運営する企業各社を呼び出して指導を行った。
当局は電動自転車のシェアリングサービスの発展を推奨しないことを強調、期限つきの改善要求を出した。期限内に要求された水準まで改善できなかった企業及びその運営するプラットフォームには罰金や車両の差し押さえ、アプリストアからアプリの削除など複数の罰則が科されるという。
今回対象となったのは「考拉出行(beidouxintong.com)」「筋斗雲出行(cango)」「小遛共享(LIUBIKE)」「芒果電単車(mango)」「蜜蜂出行(BeeFly)」などの企業だ。
北京市交通委員会は早くも2018年末の時点で市民に対して「シェア電動自転車を使用しないように」と注意を促すなど、電動自転車のシェアリングサービスを推奨しない態度は明らかだった。
今年の3月にはある事業者が車両の設置許可を取得しないまま電動自転車のシェアリングプラットフォームを運営していたことから、北京市交通委員会は関連法に基づいて初となる5万元(約80万円)の罰金を科している。
北京以外には上海、広州、深圳も同様の態度を明らかにしている。一級都市では交通機関が発達しており、かえって都市交通への負担となるからだろう。
このような状況を受け、二級都市でも管理規制政策が出されるようになっている。
地方紙「湖南日報」の報道によると、長沙市の交通運輸局を始めとする関連当局が11月23日に前出の美団、小遛共享のほか、「哈囉出行(Hello Global)」「青桔単車(DiDi Bike)」、「喵走(MIAOZO)」、「喜宝達(Xbike)」を呼び出して指導を行ったという。
シェア電動自転車の背後にあるのは巨大なモビリティ市場だ。調査会社「艾媒諮詢(iiMedia Research)」のデータによると、2019年に中国のシェア電動自転車は100万台を超えているという。2025年には800万台を超えると見られ、年平均成長率(CAGR)は41.4%に達するという。
電動自転車のシェアリングサービスを手掛ける企業は多いものの、トップ企業の独占がますます目立つようになってきている。ビジネス専門誌「中国企業家」によると、現在は哈囉出行、青桔単車、美団が上位3位となっており、哈囉出行の共同創業者で執行総裁を務める李開逐氏によると、同社のシェア電動自転車で市場の60%以上を占めているという。
政策の厳格化にともない、過熱していた市場は水を差されるだろう。将来的にこの市場がどのような変化を遂げるかはさらに様子見の必要がある。
(翻訳・山口幸子)
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