WeChat、新機能「モビリティサービス」をリリース スーパーアプリの重要な柱に

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テンセントのSNSアプリ「WeChat(微信)」が中国全土150以上の主要都市向けに新機能「出行服務(モビリティサービス)」をリリースした。ワンストップで車のメンテナンス、公共交通の情報案内、タクシーの配車などのサービスを提供する。

このWeChatのモビリティサービスはこれまでの機能とどう違うのだろうか。

WeChatモビリティサービス

モビリティサービスは、決済機能「WeChat Pay(微信支付)」ページの「交通出行(モビリティ)」項目のほか、WeChatの検索機能でミニプログラム「騰訊出行服務(テンセントモビリティサービス)」を探して利用する。

モビリティサービスのページは、カーライフ、バス・地下鉄およびタクシー配車の三つに分かれる。

カーライフは車の所有者向けのサービスで、周辺のガソリン価格の安いガソリンスタンドを探したり、メンテナンスサービスを行っている場所や飲食後の代理運転サービスを探したりできる。

さらに、ユーザーが所有車の車種やナンバープレートなどを入力すると、車検代行、交通違反の記録の照会や罰金の支払い、自動車保険の加入、燃費の記録などのサービスが利用できる。

バス・地下鉄のページでは、バスのリアルタイムの運行情報やバスの路線を検索できる。

タクシー配車機能は、乗車地点と目的地を入力すればよい。

こうしてみると、WeChatのモビリティサービスに新しい機能はなく、WeChatは既存のユーザーを他社のサービスにつなげてワンストップの総合的なモビリティサービスプラットフォームの構築を目指しているのがみてとれる。

モビリティサービスを重視

全国150以上の都市を網羅した「モビリティサービス」を今回正式にリリースしたことは、テンセントがモビリティ分野を重視していることを物語っている。

生活サービスにおけるWeChatのライバルで、アリババ傘下の金融サービスグループ「アント・グループ(螞蟻集団)」が運営するモバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」は、今年8月にiPhone版を更新してモビリティ機能をページ最上位に置いた。

WeChatのモビリティサービスには、カーオーナー向けのようなアリペイにはないサービスもある。

WeChat側は、現段階のモビリティサービスは主にカーオーナー向けサービスに集中しているが、将来的にはタクシー配車、鉄道、航空などすべての移動シーンに対応できるようサービスを拡充するとしている。

どんな意義があるのか

現在のモバイル決済プラットフォームは、万能型の総合サービスプラットフォームへ転換しつつある。2020年3月10日、アリペイはパートナー大会で「世界最大のデジタルライフのプラットフォーマーになる」と宣言した。WeChatもユーザーに水道光熱費などの支払い、モビリティ、医療・ヘルスケア、オンラインショッピングなどさまざまなニーズにワンストップサービスで対応しようとしている。

WeChatにとって、総合的なモビリティサービスの構築は万能型の総合サービスプラットフォームとなるための重要なステップと言える。

作者:WeChat公式アカウント「雷科技(ID:leitech)」

(翻訳・二胡)

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