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企業のデジタル・トランスフォーメーションを支えるソリューションを提供する「奇点雲(Startdt)」が、シリーズB2で8000万元(約11億円)を調達したことがわかった。リード・インベスターはバイトダンスで、株主のIDGが追加出資した。これにより同社はシリーズBにおいて計2億元(約30億円)を調達したことになる。上記2社のほか、「火山石資本(Volcanics Venture)」、「徳同資本(DT Capital Partners)」、「五源資本(5Y Capital)」、「元一資本(Yuanyi Capital)」が出資している。
奇点雲は2016年12月創業で、ビッグデータとAIを活用し、企業活動の付加価値を高めることを得意とする。2020年9月の時点で、同社はヨガウェアのlululemon、高級ブランド品のLVMH、不動産デベロッパーの「凱徳中国(CapitaLand)」、チャイナテレコムの上海支社、杭州のサイエンスパーク「杭州未来科技城」など、500以上の顧客向けにデジタル・トランスフォーメーション支援を行っている。
奇点雲は2020年9月にシリーズB1の資金調達を行い、その後新規サービスや既存サービスのアップデートを発表した。
2020年末にローンチされたワンストップ型ビッグデータプラットフォームの「DataSimba」は、複数のクラウドサービスを利用する多国籍企業向けのものである。複数のクラウドサービス同士を組み合わせて最大限の効果を発揮させる環境は「マルチクラウド」と呼ばれるが、それを実現するためのデータ関連の開発、デプロイメント、システム移行は非常に困難な作業である。その理由の一つが、既存のデータのアーキテクチャがクラウドに基づくものではないため、クラウドに合わせた調整が必要になるためだ。DataSimbaにはマルチクラウドのための機能が豊富にあり、企業のデータがクラウドネイティブ(クラウドサービスを利用して構築され、クラウドでの運用を前提とする)なものになるように支援する。
同じく2020年末にアップデートした「AIモデルファクトリー2.0」は、アルゴリズムを開発するためのプラットフォームである。ビジュアルモデリングとブラウザ上で記述・実行できる統合開発環境の「jupyter notebook」を使った開発が可能だ。
また、奇点雲は2020年10月にデータ活用支援チームを立ち上げ、企業向けにサービスを開始した。中国では80%以上の企業がデジタル・トランスフォーメーションの初期段階にあり、単に業務プロセスのデジタル化をしただけで、データを活用ができていないとされている。たとえば、小売企業が消費者に関するデータを取得しても、それをどのように使い、マーケティングに反映していけばいいのかわからないという状態だ。奇点雲はこうした企業向けに消費者インサイト分析を行い、売上増につながる運営手法を編み出し、実用的な提案を行っている。某眼鏡ブランドが昨年のダブルイレブン前にこのサービスを導入したところ、コンバージョン率が大きく上がり、マーケティングコストが前年比40%下がったにも関わらず、新規顧客を6000人も獲得できたという。
奇点雲の創業者張金銀氏は、調達した資金を技術開発と販売の強化に充てると話している。(翻訳・小六)
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