車載電池大手CATL、積極的な投資で半導体やモビリティ産業に布陣

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車載電池大手CATL、積極的な投資で半導体やモビリティ産業に布陣

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昨年来、車載バッテリー大手「寧徳時代(CATL)」の評価額はますます高まり、1兆元(約16兆3000億円)の大台に迫っている。この背景にはCATLが長年に渡って車載バッテリーのトップ企業として、産業界に大きく布陣を広げてきたことと関連している。

昨年8月CATLは、国内外の産業チェーンに関わる優良な上場企業に対して、191億元(約3100億円)を投資することを表明した。この投資を通じて、CATLは単なるバッテリーサプライヤーから脱却し、全面的にモビリティ分野に対して切り込んできた。

中国国内の車載バッテリー分野におけるCATLの地位は安定している。「中国自動車動力電池産業創新連盟」のデータによると、昨年のCATLの車載バッテリー搭載量は31.79GWhで、中国国内シェアは50%に達し第1位となった。

1月13日、韓国の市場リサーチ機関「SNE Research」が発表した世界市場での車載バッテリー搭載量によれば、CATLの年間搭載量は34GWhに達し、韓LG化学の31GWhを抜いて4年連続で首位となった。

車載バッテリー市場が好調に成長していることを受け、CATLへの評価も高まっている。今年1月25日の終値時点で、CATLの評価額は9246億8500万元(約15兆円)となり、中国国内の自動車分野では最も評価額が高い企業となった。

このような状況のもと、CATLは業務範囲をさらに拡大するために、国内外で幅広く投資を行っている。CATLの投資先について下記の表にまとめた。

CATLの近年の投資先

現在公開されている情報を見ると投資額が多いのはやはりバッテリー分野だ。株式の引き受けによって、世界トップレベルのリチウム電池関連メーカー「先導智能(Lead Intelligent)」の第2株主となった。CATLにとって先導智能は、リチウム電池の生産設備のサプライヤーであり、この投資によってCATLは生産設備の安定供給を手中に収めたことになる。

さらにカナダのリチウム資源開発会社「ネオ・リチウム(Neo Lithium)」、電力設備企業「永福股份(Yongfu Power Engineering)」などにも出資を行っている。

CATLは新エネルギー車、自動運転、モビリティ、半導体などの分野にも投資を行い、布陣を固めている。

新エネルギー車の分野では、新興EVメーカー「BYTON(バイトン)」に投資を行っただけでなく、EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」とともにバッテリー資産企業を設立し、バッテリー交換システムを研究している。また建設企業「宏大爆破(Hongda Blasting)」、バッテリー関連企業「百城新能源(BAGN)」と合弁会社を設立し、充電設備の分野にも力を入れる。

自動運転の分野では、収益化しやすい物流と鉱山設備の無人化に重点をおき、自動運転トラックの開発を手掛ける「嬴徹科技(INCEPTIO)」、無人化設備を手掛ける「躍薪智能(XGYX)」と合弁会社を設立した。

モビリティ分野では、自動車大手「上海汽車集団(SAIC MOTOR)」傘下のモビリティサービス「享道出行(SAIC Mobility)」に参加し、共同でモビリティ分野の開拓を進めている。以前には10億元(約160億円)を出資し、シェア電動自転車の「哈囉出行(Hello Global)」と合弁企業を設立し、都市の末端交通にも進出している。

半導体分野では、昨年10月にシャオミ(小米)傘下の投資ファンド「湖北小米長江産業基金」など8社と共同で「芯邁半導体技術(Xinmai Semiconductor)」に出資し、株式の2.7027%を取得した。さらに最近では、リード・インベスターとしてAIチップメーカー「地平線機器人(Horizon Robotics)」に出資を行った。

CATLの投資先は数多く、業種も多岐に渡る。その中でもモビリティ分野は依然として重点投資先となっている。このような布陣によって、今後自動車メーカーが自社で電池の開発を始めたとしても、CATLは強い競争力を維持していくだろう。

作者:車東西(WeChat ID:chedongxi)、Juice

(翻訳・普洱)

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