チャイナ・リテラチュア 約155億元で「我的前半生」等の映画・ドラマ制作会社、新麗伝媒を買収

上場にまつわる課題を迂回し、テンセントによる出資を得て、新麗伝媒(New Classics Media)とテンセントの結びつきが強まっている。

閲文集団(チャイナ・リテラチュア)は、上場後初の半期業績報告の際、現金と株式あわせて約155億元(約2,500億円)で新麗伝媒を買収すると発表。

この5か月前、テンセントの子会社は光線メディアから約33億元(約530億円)で、新麗伝媒の約28%の株式を取得。今回、チャイナ・リテラチュアは、テンセントと新麗伝媒の幹部クラスの株主から、すべての株を買い取った。

公開情報によると、新麗伝媒は、テレビドラマ制作事業で創業、ここ数年は映画や投資も行っている。「我的前半生」、「白鹿原」、「大丈夫」、「虎媽猫爸」、「辣媽正伝」などが、ドラマの代表作品である。映画代表作には、「捜索」、「道士下山」、「煎餅侠」、「夏洛特煩悩」、「羞羞的鉄拳」、「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」などが名を連ねる。

実際には、映画やドラマ作成の川下企業である新麗伝媒は、オリジナルコンテンツと密接な関わりを持っている。テンセントのオリジナルコンテンツ育成プラットフォームで、チャイナ・リテラチュアは早い段階で新麗伝媒とコラボレーションをしていた。たとえば「Fights Break Sphere」、「慶余年」などチャイナ・リテラチュアのオリジナル小説をリメイクし、新麗伝媒と共作テレビドラマとして放映。そして、今回のチャイナ・リテラチュアによる新麗伝媒を買収の目的は、ビジネスチェーンの拡張であると同時に、ネット文学ユーザーの伸びに限界がある中で、新たな収益源を得て、次なる収益構造の改善につなげたいという狙いもあるといえるだろう。

双方が合意した最終的な協議によると、新麗伝媒の既存チームは、ドラマ、ネットドラマ、映画制作業務を継続することになり、チャイナ・リテラチュアからだけでなく、他社のコンテンツも選ぶ権利がある。また、新麗伝媒は、チャイナ・リテラチュアの豊富なコンテンツライブラリや作家のプラットフォーム、編集チームなどのリソースにアクセスすることで、より良い内容を制作できるようになる。

テンセントからみると、テンセントが力をいれている「エンタメコンテンツ」の布石は、現在すでにテレビ、映画、文学、アニメや音楽などのインタラクティブなエンタメ業界をカバーしている。5月に、テンセントが「カルチャーイノベーション」戦略を打ち出したとき、テンセントグループの副総裁兼テンセント映画のCEO程武氏は、2つのオリジナルコンテンツに関わる方針を追加。一つは、オリジナルコンテンツ価値へのさらなるこだわりであり、もう一つは、オリジナルコンテンツを作り出す方式、方法をさらに追求するというものだ。テンセントのオリジナルコンテンツの供給源の一つであるチャイナ・リテラチュアが、新麗伝媒を買収したことで、新麗伝媒の映像作品がチャイナ・リテラチュアをインスパイアし、テンセントのオリジナルコンテンツの源泉となることが期待される。これは、テンセントのクリエイティブ部門にとっても、望ましい結果を生むだろう。

新麗伝媒にとってみると、かつて途中で何度か中止を余儀なくされ、挫折を繰り返してきたIPOについて明るい道が切り拓かれたといえる。多くの映画会社のIPOが困難を極めている状況で、今回のチャイナ・リテラチュアが業務提携という形で新麗伝媒買収したことは、新しい形の資金調達の道ともいえよう。

日本企業のDXを促進するプラットフォーム「CONNECTO」
無料コンテンツ公開中

最新記事