夏はザリガニ、冬は蟹:「漢蝦王」、モジュラリゼーションでザリガニのブランド価値を取り戻す
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夜の飲食産業においては、ステーキ・バーベキュー・火鍋が支配的であったが、ここ2、3年においては、ザリガニが勢いを増してきており、先の三つを追い抜く勢いである。市場規模から見れば、2017年のザリガニ料理市場は約2000億人民元(約3兆2200億円)であり、その勢いが衰えることはない。
ザリガニは何故ウケているのだろうか? 味から見れば、ザリガニはフライ・麻辣・蒸し物等、どのような調理法でも美味しく、また各地の様々な風味にも適応可能である。シーンから見れば、ザリガニは店で食べるだけでなく、テイクアウトも可能であり、またスナックにもなるなど、時間や空間による制限がない。松哥油燜大蝦・堕落蝦・信良記は、全てザリガニ市場で戦っているブランドである。
36krは、最近「漢蝦王」に接触した。この店は、店舗での食事・テイクアウト・軽食を全て行っている人気店である。本記事では店舗・サプライチェーンマネジメント・モジュラリゼーションプロセスなど、いくつかの方面から漢蝦王を紹介する。
店舗
店舗において、漢蝦王は150平米を超す大店舗をショッピングセンター・通り沿いに出店しており、また15-50平米のテイクアウトを主、食堂を副とする小店舗もある。2016年以来、併せて12店の直営店舗を、主として深圳に展開している。一日当たりの回転率は3-6回で、ひと月・坪当たり約5000元の売り上げがある。
食用ザリガニは殻をむく必要があるため、スマホをいじることができず、また食事のプロセスとしても時間がかかるものである。よって友人との交流に集中することができ、社交的な性格が強い。ゆえに内装の面でも、漢蝦王の店舗はゆったりとくつろげるような感じで、カフェに近く、社交的な雰囲気に合致している。

サプライチェーンマネジメント
ザリガニ資源から見ると、漢蝦王が採用しているのは生産量が比較的多く、国内で肉質が最高とされる湖北省の潜江ザリガニである。また潜江ザリガニ交易センターが独占的に権利を与えている外部ブランドとなっている。ザリガニ資源の原価率は10%程度で、12時間内に潜江から直接店舗にザリガニを配送することが可能である。
ただ、ザリガニの旬は4-9月であるが、品薄の時季はどうするのであろうか。創始者の劉波が36krに語った所によれば、漢蝦王は品薄の時季が来る前に十分な量のザリガニを貯蔵し、洗浄・背ワタ取りなどの下処理を施したあと、液体窒素で凍らせれば、半年間保存できるという。その際のザリガニ肉の粗密度および鮮度の喪失は5-10%程度である。現在、漢蝦王もまた冷凍ザリガニの導入を試みているが、食感が5%程度悪くなるという。
このほか漢蝦王は、品薄の時季には、秋冬に旬を迎える上海蟹をアピールしており、今10種類の蟹類について、SKU(ストック・キーピング・ユニット)を進めている。また、漢蝦王は約20種類の涼菜と5種類の主食を用意しており、品数を増やすことで品薄時季の問題を解決している。劉波氏が36krに語ったところによれば、二年余りの経営経験において、ザリガニ生産が旬か否かということは、あまり経営に影響がないという。
モジュラリゼーションプロセス
ザリガニを食べる時に重要なのは味である。漢蝦王は三か月の商品開発を行い、最終的に北京麻辣風味・湖南風味・江蘇十三香風味・湖北油燜大蝦などいくつかの商品を開発した。そのうち最も力を入れている商品は、香り・味共に十分で満足度も高い油燜大蝦であり、清蒸・ガーリックオイル風味などを次点としている。あわせてザリガニの大きさによって、七銭(35g)以上のザリガニは油燜大蝦に用い、それより小さなものは炒め物や団子にするなど、15種類のSKUがある。

調理する際、漢蝦王が必要とする材料については以下の通りである。まず欠かすことができない八角と、その他香辛料・調味料、計三つの調味セットを合わせ、調理時にプロセスに従い、その調味セットを投入すれば、普通の料理人でも同じような味に仕上げることができる。そしてこの調味セットの材料は、全て伝統的な原産地から取り寄せたものである。例えば大紅袍トウガラシ・漢源花椒・広西八角・遂寧白芷などである。
現在、漢蝦王が研究開発しているスナックについては、ザリガニの付加価値を高める加工を行っている、潜江の華山水産食品有限公司と協力し、加工を華山に委託することで、運送費と加工コストを抑えている。このほか、漢蝦王もまた深圳最大のセントラルキッチンに投資、基本的な料理をセントラルキッチンで統一的に生産・配送し、あわせて炒め物専用の調理ロボットを開発することで、さらに料理の標準化・コスト削減を実現しようとしている。
営業収入から言えば、去年の漢蝦店5店舗の総収入は7500万元で、純利益は1500万元であった。漢蝦王への加盟費は30-50万元ぐらいであり、現在50店がフランチャイズに加入したいと希望している。
また人脈の面から言えば、劉波氏は武漢大学、イギリスのインペリアルカレッジ・ロンドンを卒業し、三度のサプライチェーンマネジメントおよびインターネット関連の創業経験がある。またヴァイスプレジデントの畢松氏は、かつて中友集団の無線インターネット事業部の幹部であり、ソーシャルソフト「多朋」の創始者である。現在、漢蝦王はシリーズAラウンドでの資金調達を模索中である。