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モバイルバッテリーのシェアリングサービスを手掛ける「捜電充電(Soudian)」と「街電(Jiedian)」が正式に合併することを発表した。両者は新たなグループ会社を共同設立し、それぞれのブランドは変更せず既存の業務を維持し、独立運営を続けていく。
両者が共同発表を行う数時間前、捜電充電は2シリーズ連続の資金調達を行うことを発表した。調達する資金の総額は8億元(約130億円)を超えるとのこと。2シリーズのリード・インベスターは「前海母基金(Qianhai FoF)」、コ・インベスターとして「東方富海(Oriental Fortune Capital)」が管理する中小企業発展基金、「中信証券投資(CITIC Securities Investment)」など著名投資機関が参加した。
発表によると合併後、双方のブランドが実施してきたレンタル方法をはじめ、登録ユーザーの権利および代理店やパートナーの権限に変更はないとのこと。両者のマネジメントチームは投資機関とともに新たな取締役会を設立し、共同CEO制を実施し、両ブランドの将来的な発展戦略を決定していく。
街電は2015年に設立され、直営モデルで中国全土にシェアバッテリー事業を展開しており、累計で3億人近いユーザーにサービスを提供している。
捜電充電は2015年に設立され、深圳に本社を構える。中国ブランドとしては初めてシェアバッテリー事業をグローバル展開している。同社は多くのコア技術を持ち、生産と販売を一体化した運営モデルを推進している。コアメンバーはチャイナモバイル(中国移動、)アリババ、テンセント、ファーウェイ、「DJI(大疆創新)」、Uberなどの出身者が占める。
捜電充電は設立当初、サプライチェーンの構築、ハードウェアの品質向上、製品の安定性と応用性の向上などに重点を置いていたが、2018年からは代理店モデルによってビジネス化の流れを加速させてきた。これによって製品の年間出荷数は急激に増加し、2019年末時点で毎月の出荷数は4〜5万台に達した。
シェアバッテリーの代理店モデルは、充電設備を代理店に販売し、代理店がこれらを店舗やオフィスなどに設置する。捜電充電の充電設備の価格は1台あたり1000元(約1万7000円)程度で、耐用年数は5年、レンタルによる売り上げは代理店と設置店や設置企業とで分配する。充電設備の所有権は代理店に帰属するため、設置側の資金やリスクの負担は少なく、代理店にとっては売り上げによる配分が高くなる。代理店モデルによって新型コロナの流行期間中もキャッシュフローに対する影響は少なく、2020年の出荷数は前年から倍増し、充電設備の累計出荷数は100万台を突破した。
捜電充電のコア製品は、ディスプレイなどを備えたさまざまな種類の充電設備で、モジュール設計を採用しているため、顧客のニーズに合わせて自由な組み合わせが可能となる。大画面ディスプレイを備えた充電設備は画面をカスタマイズでき、ブランドのマーケティングやトラフィックを増やす入り口として活用できる。
製品、サプライチェーン、ソフトウェアによる操作システムなどにおいて、捜電充電は競争優位性を備えている。製品はモジュール化されており、顧客の要望に合わせてデバイスのユニットを柔軟に組み合わせ、顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供できる。サプライチェーンに関しては自社工場を持ち、生産からアフターサービスまでをすべてを一本化している。代理店へのサポートとして、充電器レンタルユーザー向けのミニプログラム、導入企業向けのモバイルアプリ、アフターサービス、運営システムなど各種操作システムを提供している。
捜電充電の工場について梁凱CEOは「敷地面積は2万7000平方メートルで、スマート化された生産スペースを備え、国内外の認証基準をクリアしており、国の基準よりも厳しい品質検査を行っている」と述べた。充電機器の射出成形から組み立てまで一連の作業を自社工場で完結できる。運営やアフターサービスも自社で行っており、業界内の全産業チェーンをカバーしている。
捜電充電の事業は、中国国内の600以上の都市と海外の30を超える国・地域で展開している。充電設備の出荷台数は100万台を超え、提携する代理店は2万以上、累計1億5000万人のユーザーに充電サービスを提供している。
シェアバッテリー業界の今後の展望について梁CEOは「バッテリー自体の品質も上がってきているが、それでも不測の充電切れによるシェアバッテリー利用の必要性は当分なくならないだろう。今後5〜10年間は継続的な発展が見込まれる」と述べている。
捜電充電は長期的にはシェアバッテリー事業を拡大するほかにIoT分野への進出を考えており、広告ディスプレイ、EVや電動自転車の充電スタンドなどの分野において新しい小売りモデル、消費シナリオを模索しようとしている。
(翻訳・普洱)
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