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アルゴリズムを活用したAI音声認識チップのソリューションを提供する「啓英泰倫(ChipIntelli)」がこのほど数千万元(数億円)を調達した。リード・インベスターは「浩瀾資本(Haolan Capital)」。
同社は2015年設立で、昨年3月に「元禾璞華投資管理(Yuanhe Puhua)」から数千万元(数億円)の出資を受けたばかりだ。
啓英泰倫のターゲット市場はスマートホーム分野に集中している。同社のデータによると、顧客は「美的(Midea)」、「ハイアール(Haier)」、「ハイセンス(海信)」など家電業界のトップ企業を含め600社以上に上り、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、扇風機、スマートトイレの一流ブランドの90%以上を網羅する。
同社がリリースしている5モデルの音声AIチップは独自開発したニューラルネットワークプロセッサーを搭載し、量産化を実現している。
創業者の何雲鵬氏は「当社のニューラルネットワークプロセッサーは現在第4世代で、音声認識、オフラインでの自己学習、信号検出など一連の機能を搭載する。さらに、音声プラットフォームでユーザーが言語、命令文を設定できるようにして個別の需要に対応している」と話す。何氏によると、これも啓英泰倫の独自の強みの一つだ。
今年下半期、同社は新しいチップを市場に投入するほか、AIとIoTを組み合わせた音声ソリューションやオンラインおよびオフラインで使用できる音声AIソリューションを拡充させる予定だ。
独市場調査会社「Statista」によると、19年の中国のスマートホーム市場の規模は3728億1000万元(約6兆3000億円)で、2025年には8182億8000万元(約13兆8300億円)にまで拡大する見込みだ。
何氏は、スマートホーム用音声AIチップで顧客が重視するのは主に識別の性能、ソリューション全体のコスト、信頼性とみる。啓英泰倫は、チップ性能の向上とコスト削減により音声AIチップを普及させたいとしている。
家電のスマート化の広がりを受け、スタートアップやIT大手バイドゥ(百度)、半導体関連「晶晨半導体(amlogic)」などが相次いでこの未開拓市場に参入している。
何氏は、スマートホーム対応設備の増加およびチップ性能の向上とコスト低下に伴い、今年下半期から22年上半期に音声AIチップ需要が大きく増加するとみる。
啓英泰倫のデータによると、今年第1四半期の出荷台数は前年同期より大幅に増加。しかも4月の受注件数が今年第1四半期の出荷台数を上回った。
音声AIチップを搭載した赤外線の音声リモコンなどエアコン、テレビ向け需要の爆発的増加などに伴い、今年は音声AIチップの出荷台数が爆発的に増加すると同社は予想している。
同社の従業員は現在100人以上で、75%以上が開発担当者だ。何氏は半導体分野で20年の経験があり、中国家電メーカー「ハイセンスグループ(海信集団)」傘下の半導体会社で研究開発部門の副総経理を務めた。
浩瀾資本の主管パートナー王曦氏は「AI・IoT時代に、音声は人と機械が対話する最も主要な方法の一つになる。音声チップは多くのスマートホーム設備に標準搭載される見込みで、将来的に膨大な需要が発生するだろう」と話した。
(翻訳・二胡)
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