高級ブランド商品をAR化、グッチやディオールも顧客の注目企業「弥知科技」 

2018年創業の「弥知科技(Kivisense Technology)」は、商品体験などに使うAR技術を開発する企業だ。同社はAIを使ってARアルゴリズムを開発し、AR映像の表示、レンダリング、インタラクション、追従性、クラウド・コンピューティングにおいて独自技術を持つ。特にレンダリング技術が強みで、本物の商品と同等の外観を実現でき、どのような商品でも対応可能だという。

弥知科技はARアルゴリズムをSaaS(Software as a Service)プラットフォームで提供しており、ウェブ上またはWeChatのミニプログラム内で利用できる。料金は年間利用料という形で徴収する。顧客はSaaSにAR化したい商品情報と2D画像をアップロードし、アルゴリズムを使ってコンテンツを制作することになる。弥知科技はコンテンツ制作支援ツールも提供している。

同社創業者でCEOの張天夫氏は、コンピュータービジョンのアルゴリズムの研究に長年従事した経験があり、ほかの中心メンバーはAR業界で豊富な経験を持つ。こうした専門性の高いメンバーによって、同社はアルゴリズムやレンダリング技術で競合他社をリードしている。また、ウェブ上とミニプログラム内で使用できるようにしたことで、AR体験を身近にし、より高い宣伝効果が望めるようにした。

弥知科技の顧客には、グッチ、ディオール、P&Gといった海外の有名ブランドや、ECプラットフォームの「京東(JD.com)」がある。張氏によると、大企業は大量のデータを社内に抱えているため、それを活用するためにデジタルツールの導入に前向きなことが多い。今後は大企業との成功事例を効果的に宣伝し、中小企業の顧客も増やしたいとしている。

会社側が提供した資料によると、同社のARコンテンツを利用したことによる売上高は、昨年10〜12月期だけで5億元(約85億円)に上る。グッチはジュエリーやシューズのAR、高級宝飾品ブランドの伊ポメラートはジュエリーのARコンテンツを制作し、ともに顧客体験と購買率の向上につながったという。京東はARミニゲームを作り、ミニゲームを経由した売上高が数千万元(数億円)となった。AR化した商品の売上高は、平均で従来の10倍〜20倍にもなるという。

顧客企業が制作したコンテンツの実例

同社は年内にアルゴリズムを更新し、新たにインタラクティブコンテンツ制作プラットフォームの「Kivicube」をローンチする予定だ。また、AI技術のオープンプラットフォーム化も検討している。

(翻訳・小六)

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