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スマートロボットを開発する「Enabot(賦之科技)」は6月9日、家庭用小型ロボット「EBO(イーボ)」の新製品「EBO AIR」と「EBO SE」をリリースした。廉価版のEBO SEは販売価格699元(約1万2000円)で、前モデル「EBO S」から半額以下になった。
最新のEBOは家族の安全を見守ることに主眼を置いている。離れた場所からでもEBOを通じて家族やペットの様子を確認し会話ができるほか、自在に動ける利点を生かしてくまなく見回りを行う。
もともとペットの見守りロボットとして開発された初代の「EBO S」と「EBO PRO」は、2019年末に米クラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」でプロジェクトを公開した。わずか1カ月で2500人からの支援を集め、新型コロナウイルスの影響が増大していた時期にもかかわらず、最終的には1万台以上を売り上げた。
そして今回、市場ニーズに合わせて製品の立ち位置とデザインを一新した最新モデルを打ち出した。初代のデザインコンセプトはそのままにサイズを大きくし、内部構造も改めて設計し直したほか、LEDの表情や着せ替え機能など使用頻度の低い機能は省いた。
目下、電子機器メーカーは一様にチップの供給不足や値上がりに頭を痛めているが、EBOの新製品は価格を従来品の半分にまで抑えることに成功している。Enabotはその理由として、同社がサプライチェーン管理に長けており、リスクを予測して材料を事前に確保していることや、設計を合理化することで部品のコスト増加分を相殺できたことなどを挙げている。
初代EBOは大都市でペットを飼っている20~40歳をターゲットに発売されたが、新モデルはより大きなホームセキュリティー分野にフォーカスした。ホームセキュリティー市場にはすでにAmazonのカメラ付きドアホン「Ring」や監視カメラ「Cloud Cam」などの製品が出回っており、市場としてはある程度成熟している。同価格帯の製品は固定式の監視カメラがほとんどで、自在に動けるEBOは消費者にとって新たな選択肢となるはずだ。今後、Enabotは潜在的なユーザーにEBOの良さを知ってもらえるよう、マーケティングを強化していくという。
廉価版EBO SEは、障害物を回避しながら室内を動き回って監視し、不審な動きがあればスマホのアプリで通知する。外出先からでもEBOを通じて家族やペットと会話ができ、バッテリー残量が少なくなると自動でドックに戻り充電する。また専用アプリを使って撮影映像を編集したりシェアしたりすることも可能だ。
高性能版EBO AIRでは、さらに対象を識別して人や犬・猫を追跡する機能が加わる。またAIモードで人やペットを自動で撮影したり、自動編集したショート動画を毎日シェアしたりする機能も備えている。
Enabotは2018年創業で、メンバーはコンシューマー向けロボット製品の開発、設計、製品化において豊富な経験を有する。これまでに3回の資金調達を行っており、直近では今年に入ってからシリーズAでセコイア・キャピタル・チャイナと「龍湖資本(Longfor Capital)」から数千万元(数億円)を調達した。
(翻訳・畠中裕子)
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