スターバックスが北京、上海で出前開始。アリババ系餓了麼と提携

アリババ傘下で、フードデリバリー大手の餓了麼(ele.me)が19日、北京と上海の一部地区でスターバックス商品の出前を始めた。一定期間の試営業を経て、年内をめどにサービスを全国30都市2000店舗に広げ、餓了麼とスターバックスの会員の連携も進める。

スターバックスの出前サービス開始が報じられると、配送中にコーヒーの品質や風味が損なわれ、店舗内での体験という強みを失うことへの懸念の声が多くあがった。餓了麼とスターバックスは周囲の懸念を打ち消すため、配送用クーラーボックスを一新し、スターバックス専用の配送ラインを整えた。

8月に開かれたアリババとスターバックスの提携発表会で、アリババの張勇(ダニエル・チャン)CEOは「1年間の提携交渉で、店舗でも出前でも同じ消費者体験が得られるよう、配送時間の短縮や、配送設備、温度管理、飲料の製法など多くのことを詰めてきた」と語った。

出前で最も重要なのは、ドリンクの温度保持だ。餓了麼は配送用クーラーボックスを刷新。外側はTPU素材を使い、内側には2種類の保冷素材を詰めた。同社によると、クーラーボックス内は5度以下を6時間維持できるという。

スターバックス専用の配送ボックス。ドリンクをこぼさずに温度も保持する

餓了麼はまた、顧客対応やマナーの訓練を受けたスターバックス専属配送チームも結成。サービス開始前にはテスト配送チームが3カ月以上にわたって配送テストを繰り返した。

スターバックスによると、出前サービスは餓了麼アプリとスターバックスアプリの両方から利用できる。今後、ECサイト淘宝やモバイル決済支付宝(アリペイ)など、アリババ関連の小売りプラットフォームからも注文できるようにする。

店舗の味とサービスを出前でも再現するため、スターバックスの出前サービスにはかなりのコストがかかっている。出前用カップの蓋だけでも、通常より10倍高い。出前のコストはスターバックス、餓了麼、消費者で負担する。配送費も1件9元(約150円)と、通常の出前サービスより高く設定した。

配送用カップの蓋

スターバックスにとって、アリババとの提携は、販売の失速を食い止め、デジタル化を進める重要な一歩だ。アリババと餓了麼にとっては、より高所得の消費者との接点を持つきっかけになる。餓了麼は加入店舗の数や質でライバルの美団点評(Meituan-Dianping)に劣っており、ブランド力の高いスターバックスの配送に対応することで、高級飲食店の信認を得て、プラットフォームに参加を呼び掛けていく。

(翻訳・浦上早苗)

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