「安宿界のUber」インド発ホテルブランドOyo Roomsがソフトバンクから6億ドル調達
インドのエコノミーホテルブランド「Oyo Rooms」が、ソフトバンク・ビジョン・ファンド、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、セコイアキャピタルなど既存投資家から6億ドル(約680億円)を調達した。これまでの調達総額は10億ドルに達したという。

2013年、インドでサービスを開始したOyo Roomsは「安宿界のUber」とも呼ばれる。2017年末に中国市場にも進出。すでに200都市で2000軒以上のホテルと提携している。
Oyo Roomsは価格以外に特段セールスポイントのない無名のエコノミーホテルと提携することで急成長を遂げてきた。老朽化した設備、遅れたサービスやマネジメント、個性に欠ける運営のために再生の糸口をつかめない宿泊施設は、中国市場にも無数に存在する。中国ホテル協会によると、2018年1月時点で営業中のエコノミーホテルは全国に約32万軒、客室数にして200万室以上ある。こうした宿泊施設を迅速にかつ大量に、自社ブランドに組みこむのがOyo Roomsの戦略だ。ひな形化されたマニュアル(SOP)によって、既存の客室をわずか15日で改装するという。アップグレードに当たっては、リネン、アメニティ、バス・トイレ設備など多くの合格基準が設けられ、備品や従業員サービスの質を標準化する。
中国のホテル市場では、顧客の消費水準向上と裾野の拡大が同時進行している。1~2級都市ではMUJI HOTELや亜朶酒店(Atour Hotel)など中・高価格帯のホテルが人気を獲得する一方で、ホテル市場は3~4級都市でも拡大している。

Oyo Roomsの中国側パートナーでCFO(最高財務責任者) を務める李維氏によると、Oyo Roomsは提携するホテルから加盟料などは徴収せず、宿泊料金から一定のロイヤルティを徴収するシンプルな仕組み。なおかつ客室改装料を一部負担することで、スピーディーな提携先獲得に成功している。
中国部門の従業員はすでに3500人を超えた。500人以上のエリアマネージャーが、1人当たり3~4軒のホテルを担当するほか、200人以上の技術スタッフが運営体制のデジタル化、スマート化を行う。そのほか、人材研修人員や各施設の常駐マネージャーも増強していく予定だ。
エコノミーホテルは、今や民泊に押され気味だ。価格だけで勝負すれば生き残りは図れない。
インドではチェーンに属していない独立系ホテルの客室が180万室あるが、そのうちオンライン予約に対応しているのは2%にとどまる。Oyo Roomsはこれらの独立系ホテルにオンライン予約システムを提供し、稼働率向上を支援している。ただし中国では、オンライン旅行会社による同サービスが広く普及しており、消費者は利便性だけでなく、体験の「質」を重視するようになっている。Oyo Roomsが中国のローエンド市場でどの程度浸透するか注目される。
(翻訳・愛玉)