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中国のインターネット企業が自動車アフターマーケットへ続々と参入している。その中には大手EC企業も名を連ねる。
10月末、京東集団( JD.com.)の新サービス「京車会」のローンチによって、市場参入合戦の幕が切って落とされた。まず対抗したのが蘇寧易購(Suning.com)。京東集団の発表の後に「蘇寧自動車O2Oサービスシステム」をローンチした。このサービスはすでに9月に試験運用が始まっていたものだ。
この2社が提供するサービスは非常に似ている。EC領域でのノウハウを武器に、自社プラットフォーム上で自動車修理用品を販売、オンラインでの購入から実店舗での装着までをカバーする。消費者は実際に修理を行う店舗を、あらかじめインターネット上で選んでおくことができる。蘇寧自動車O2Oサービスシステムの提携店舗数は、スタート時点では28,000店、将来的には40,000店まで増やすという。一方、京東集団はまず200店舗を展開し、「双十一」(11月11日の「独身の日」)に狙いを定めて集中的に販促する。
さらに、蘇寧易購が同サービスを発表した10月25日、明覚科技(Mingjue Keji)もA+ラウンドで1億円の資金を調達したことを発表した。出資したのは上海の雲鑫科技(Yunxin Keji・アントフィナンシャル傘下)、滴滴出行(DiDi)及び雲鋒基金(Yunfneg Jijin・ジャック・マーと虞鋒が共同設立)だ。明覚科技はこれ以前にも、Aラウンドでアントフィナンシャルと滴滴出行から5,000万元(約8億2,000万円)の資金を調達している。
阿里巴巴(アリババ)が自動車アフターマーケット事業に火をつけたのは今年8月、金固汽車超人(Jinguqichechaoren)、康衆汽配(Kangzhongqipei)との合弁会社「新康衆」
(Xinkangzhong)の設立に始まる。事実上、自動車アフターマーケットに参入した最初のEC企業だ。設立から2ヶ月後、新康衆は天猫車站(Tmallステーション)をローンチした。5年以内に全国の大都市に50,000店の提携店舗を展開する計画だ。
しかし、アリババや京東集団、蘇寧易購のようなEC企業が、インターネット事業の優位性だけでシェアを奪えるほどこの市場は甘くない。
2014年、O2O自動車アフターマーケットへの投資が盛んだった頃、出張洗車や出張修理など多くの「出張サービス」が注目を浴びたが、どれも失敗に終わっている。中国の自動車アフターマーケットの市場規模はすでに1万億元を超えているが、巨頭は未だ現れていない。アメリカでは2,410億ドル(約27兆円)の市場規模になっており、O’Reilly Automotive、Autozone、Advance Auto Partsを含む十数社の上場企業が誕生している。
自動車修理サービスは規格化が難しい。従来型の修理店では部品、技術、サービスのどれも品質にばらつきがあり、長きにわたって消費者が不利益を被ってきた。
EC企業が打ち出すサービスは、消費者がプラットフォーム上で購入した部品を修理店に直接配送し、運送に関わる手間を省くというものだ。しかし問題は、市場に存在する自動車が1,000種類以上あり、各車種に対応した部品と要求される技術も多岐にわたるという点だ。付近の修理店が対応できない場合は、インターネット上で購入した部品を持って、結局はディーラーへ足を運ぶ羽目になる。
EC企業の参入が自動車アフターマーケットに新しい風を吹かせることになるのか。競争はさらに激しさを増す。
(翻訳・大友)
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