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中国「蘭洋科技(BLUEOCEAN)」が今年3月に、シリーズAで3500万元(約6億円)を調達した。
同社は2019年に設立し、創業者は日本の熊本大学卒業した白瑞晨氏で、数人の海外帰国組が技術面で指揮を執る。
蘭洋科技は液浸冷却による放熱、熱交換、エネルギー制御を主体とした熱管理のソリューションベンダーで、自主開発した新型の液体冷媒や熱管理構造設計を基に、液浸冷却による放熱技術と製品をリリースし、小型化する電子製品にも対応する。
液浸冷却は風冷、水冷など既存の冷却技術とは異なる概念だ。開発した液体冷媒は腐食性、粘度が低く、化学的安定性、絶縁性、流動性、熱伝導性が高いうえ、無味・無毒などの特徴がある。耐用寿命は18〜25年にもなるため、すでに多くのシーンで活用されている。
創業者の一人の莫氏によると、冷却プレートや冷却管路などを用いる間接冷却とは異なり、液浸冷却技術はすべての電子コンポーネントを特殊な液体に浸して直接冷却を行うため、放熱効率はより高く、安定しており、より安全だ。
同社の製品は現在、主に3つの分野に導入されている。1つ目はパソコン、スマートフォン、プロジェクターなどの消費者向け電子機器、2つ目はデータセンター、5G基地局などの商用分野、3つ目はLiDAR(光による検出・測距技術)、航空・宇宙などその他の分野だ。中でもデータセンターは中国が構築を進める次世代インフラで重視されており、今後重点的に進めていく事業分野でもある。会社の開発したデータセンターの液浸冷却技術が中国工業情報化部の2021年の「国家グリーンデータセンター先進的適用技術・製品目録」にも掲載されていた(グリーンデータセンター:消費電力が少なく環境負荷の小さいデータセンター)。
蘭洋科技はデータセンターのほかに消費者向け電子機器分野でも関連製品をリリースしている。報道によると、2020年9月には家電大手ハイアール傘下の雷神科技(THUNDEROBOT)と提携し、世界で初めて量産型の液浸冷却式デスクトップパソコンを発表した。さらに、中国クラウドコンピューティングセンターと提携し、現在四川省に建設中の「中国雲・雅安5Gクラウド基地」で唯一、液浸冷却機器サプライヤーに指定された。政府との提携は同社のIDC(インターネットデータセンター)戦略であり、液浸冷却式サーバールームの業界標準制定にも参画できるチャンスだ。
今年6月には、蘭洋科技の液浸冷却システムを導入した世界初のデスクトップパソコンがオンラインゲーム「征途(Double World)」のイベントでお披露目された。征途のオンライン競技会で使用される公式マシンとして、7月に組み立てパソコンメーカー京天華盛(KOTIN)が数量限定で販売したところ、発売開始後6分半で完売していた。
莫氏は蘭洋科技の今年の販売額は1億5000万元(約25億6300万円)に達すると予想している。
(翻訳・愛玉)
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