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無人搬送車(AGV)メーカー「未来機器人(VisionNav Robotics)」がこのほどシリーズCで数億元(数十億円)を調達した。出資したのはバイトダンス(字節跳動)、IDGキャピタル、「順為資本(Shunwei Capital)」などだ。
未来機器人の設立は2016年。産業車両の自動運転技術の開発に注力し、企業に対して無人搬送ソリューションを提供している。これまでに「レノボ・キャピタル(聯想創投)」や「常春藤資本(Ivy Capital)」などからも出資を受けている。
未来機器人は、今回得た資金を以下の事業に充てる方針だ。まずは需要が高まっている大量積載型の屋外用無人フォークリフト、幅狭通路(VNA)用無人フォークリフトなどの新製品をリリースし、トラックからの荷下ろしや高い位置からの荷物のピックアップなど多様なシーンに対応できるようにする。次に製品担当チームを拡充し、納品スピードを上げ、実用化の規模を拡大し、納品プロセスの標準化を実現する。また、グローバル展開を加速させ、東アジア、東南アジア、豪州、ヨーロッパなどにネットワークを拡大させる。そして川上、川下の優良なベンダーと中間業者をつなぎ、共同でエコシステムを構築する。
「スマート製造」の拡大とともに、人の替わりにロボットを作業現場に投入する企業が増加し、無人産業車両の市場も大きく成長した。中国工程機械工業協会工業車両分会(CITA)が公表したデータによると、2020年中国で増加した産業車両は約81万台で、保有量は300万台を超えた。しかし高工産業研究院(GGII)のデータによると、2020年に中国で稼働する無人産業車両は3500台で、前年同期比で50%伸びているものの、シェアは1%にも満たないという。市場には大きな成長の余地がある。
未来機器人の李陸洋CEOは、無人産業車両の問題点は、人と比較した際に、製品のコア機能が、ピーク時の作業効率、細かい作業、複雑なシーンへの対応などにおいて、顧客の要求に十分に応えられないことだと語る。近年、ハイテク企業が続々と無人産業車両の市場に参入したことで、製品の種類や機能は豊富になった。だが製品のコア機能に大きな変化は見られず、いかに無人産業車両の「柔軟性」を上げられるかが今後の課題となっている。
未来機器人は2021年、3Dビジョンをベースにしたセンシングとポジショニング技術、リアルタイムで多軸方向に動くモーションプランニング技術や高性能視覚制御技術を搭載した産業車両のリリースにより製品の柔軟性を格段にアップさせた。また、無人車両による荷物の積み降ろしや倉庫での高所保管など複雑なシーンにおいての利用も可能となり、他社との差別化に成功した。
現在、未来機器人は150近い現場に製品を納入している。カバーする業界はさまざまで、難易度の高いシーンも多い。2019年から2021年の間に同社の業績は10倍近く成長し、2021年の業務量は2020年と比較して300%伸びている。1取引当たりの発注金額、既存顧客の再発注額はいずれも300%伸び、飛躍的に成長した。
同社のスタッフは200人ほどで、そのうち研究開発人材が70%を超える。東京大学、香港中文大学、浙江大学など国内外の名門大学で博士号、修士号を取得したメンバーや、ファーウェイやクアルコムからの転職者も在籍する。
(翻訳・Qiunai)
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