「独身の日」食品部門1位の「三只松鼠」、起死回生の復活劇

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「独身の日」食品部門1位の「三只松鼠」、起死回生の復活劇

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11月11日、中国で毎年恒例となっているEC販促キャンペーン「独身の日(双十一)」が開催された。EC企業最大手のアリババグループが取引総額2135億元(約3兆5000億円)で新記録を達成したが、そのアリババが傘下に抱えるB2Cプラットフォーム天猫(Tmall)で、起死回生を果たした企業がある。ドライフードを主力製品とした「三只松鼠(Three Squirrels)」だ。

今年の食品部門で取引総額1位となった三只松鼠は、ナッツやドライフルーツを中心とした菓子メーカー。前年比41%増の6億8200万元を記録し、7度目の首位を獲得した。中国を代表するマオタイ酒の「貴州茅台集団(KWEICHOW MOUTAI)」、菓子メーカー「良品舗子(BESTORE)」、「百草味(Be & Cheery)」がこれに続いたが、食品部門は三只松鼠の独走状態だ。

独身の日では強さを見せつけた三只松鼠だが、実は設立7年目の危機に瀕していた。

三只松鼠は2017年、「中国のNASDAQ」と言われる「創業版(ChiNext)」への上場を準備していた。当時の目論見書では、同社の売上高は2014年から2016年にかけて9億2400万元、20億4300万元、44億2300万元と倍々ゲームで拡大していた。純利益は2016年に2億3700万元に達した。

しかし、その数カ月後、三只松鼠は国家食品薬品監督管理局から品質問題を指摘され、ブランドイメージを著しく棄損してしまう。同年の独身の日でも菓子部門トップの売上高は維持したものの、5億2000万元にとどまった。

上場も頓挫。同年10月、中国証券監督管理委員会はサイト上で、三只松鼠のIPO審査の中止を発表。12月に上場申請を取り消した。

創業者の章燎原氏はこれについて、「発端は品質問題だった」とする一方、「2017年初めから売上高の伸びに陰りが出てきた。もし成長速度を維持できていたなら、多少のスキャンダルがあっても乗り切れると思っていた」と釈明している。

また、戦略や経営の面でも判断を誤った。従来、オンライン販売専門で展開してきた三只松鼠は、2016年9月に実店舗「三只松鼠投食店」を開店。2018年までに150店舗を展開する計画を策定し、仕入れ先を広げすぎた結果、原材料の品質が低下し、大量の不良在庫を抱えてしまった。

「小売業者かブランド企業か」というポジショニングの面でも揺らぎが見られた。小売業者としては常に販路を開拓し、商品品目を拡充していかなければならないが、急激な収益拡大を追究した結果、ブランドイメージが低下した。

今年7月からは起死回生を狙い、製品の大幅な刷新を目指してきた。新商品発売と失敗を幾度も繰り返しながら、独身の日前日の11月10日には11品目の新商品を発表。商品名や内容をインターネットで拡散して話題性を高めた。こうした準備が功を奏し、独身の日に5000万元を売り上げることに成功した。

三只松鼠の2017年の売上高は68億5000万元。現在のペースを維持できれば、2019年には100億元の大台に乗ることも予想される。
(翻訳・愛玉)

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