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韓カカオエンターテインメントと中国IT大手テンセントの設立した「成都葡萄騰科技(PODOTENG)」がこのほど、中国市場向けのWeb漫画プラットフォーム「PODO漫画」をリリースした。韓国メディアが伝えた。
カカオエンターテインメントは、カカオ傘下でウェブ漫画プラットフォーム「カカオページ」を手掛けている。カカオは昨年12月、テンセントと共同で合計4200万ドル(約47億9000万円)を出資し、香港で合弁会社「Hongkong TXKP Limited」を設立(テンセントの出資比率は51%)。同社を通じて成都葡萄騰科技に100%出資する。
企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、成都葡萄騰科技の法定代表人はテンセントのアニメ・漫画事業責任者である鄒正宇氏が務めている。
PODO漫画からはすでに、「緑陰の冠」や「梨泰院クラス」など韓国の漫画70作品がリリースされている。
カカオエンターテインメントとテンセントの提携関係は8年前に始まった。
2013年、テンセントは子会社の「Sky Blue」を通じてカカオエンターテインメントの前身であるカカオページに140億ウォン(約13億円)を出資。17年、カカオページはテンセントのウェブ漫画プラットフォーム「騰訊動漫(Tencent Animation and Comics)」に同社のIP(知的財産)である漫画作品を提供することで契約を締結。同プラットフォームで20作品の連載が始まった。
そして昨年、テンセントの韓国法人「Tencent Korea」の理事がカカオページの社外取締役に任命された。
テンセントと提携してPODO漫画をリリースしたのは、カカオの世界戦略の一環だ。
同社の日本法人カカオジャパンは2016年、日本でウェブ漫画プラットフォーム「ピッコマ」をリリース。カカオページは18年、8316万元(約14億8000万円)でインドネシアのウェブ漫画会社「Neo Bazaar」を買収し、東南アジア市場に進出した。20年には、米ウェブ漫画プラットフォーム「Tapas」に9702万元(約17億3000万円)を追加投資して持株比率40%の筆頭株主となった。
カカオページが中国市場を重視するのは、中国が米国に継ぐ第2のコンテンツ市場だからだ。韓国コンテンツ振興院が発表した「2020海外コンテンツ市場分析」によると、漫画やドラマ、映画などを含むコンテンツ市場の規模は、今年は中国が3601億ドル(約41兆円)、米国が8620億ドル(約98兆円)、韓国が636億ドル(7兆3000億円)になる見込みだ。
カカオページは今年3月、カカオ傘下の総合エンターテインメント会社カカオMを吸収合併し、社名をカカオエンターテインメントに変更した。双方は統一したIPとプラットフォームのネットワークを構築し、コンテンツ制作から供給、発行までを垂直統合する。
韓国メディアは、カカオエンターテインメントは来年にIPOを実施し、上場時の時価総額は7兆ウォン(約6700億円)前後になると予想する。
カカオエンターテインメントが中国市場に進出した背景には、中国最大のウェブ漫画プラットフォーム「快看漫画(Kuaikan Comic)」が今年8月にプレIPO で2億4000万ドル(約270億円)を調達したことがある。
出資者はテンセント、「建銀国際(CCB International)」、米ヘッジファンド「Coatue Management(コーチュー・マネジメント)」のほか、韓国のアプリストア「One Store」、NH投資証券プライベートエクイティ部、ゲーム開発会社「Joycity」、韓国最大のオンライン書店「YES24」など。
韓国メディアの報道によると、One Store代表は今回の投資を機に快看漫画を韓国でもリリースしたいと意欲を示しているという。
作者:「東西文娯(WeChat ID:EW-Entertainment)」
(翻訳・二胡)
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