レベル3,4の自動運転実現へ、「紐勱科技」が描くスマートシティー

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自動運転のパイオニア、テスラがリードしてきた新たな自動運転ブーム。しかし、乗用車では、ハンドル操作や加減速をサポートする程度のレベル1やレベル2に大部分がとどまっているのが現状だ。

先日36Krが取材した「紐勱科技」(Nullmax)は、AI、ビッグデータやコンピュータビジョンなどの技術に基づいた自動運転サービスを開発し、運転の安全性・快適性を向上させることを目指している。

創業者兼CEOの徐雷氏はテスラ・オートパイロット部門の中心メンバーだった。テスラで自動運転技術の製品化に関わったことで、中国で自動運転技術を実現しようと、同僚だったCOO宋新雨氏と2016年に紐勱科技を立ち上げた。まだ中国では競合企業が少なかった当時、紐勱科技は自動車メーカーと協力してライドシェアサービス企業へ転換し、政府と連携してスマートシティーの建設を進めたいと考えた。

紐勱科技創業者兼CEO徐雷氏

紐勱科技は自動運転の技術で先行している商用車に対して「乗用車カテゴリ」を確立するため、以下のようにアプリケーション層全体をカバーするサービスを打ち出した。

・カメラやレーダーなどのセンサー
・ターゲット識別や追従予測などの環境認識
・ルート決定や行動決定などのプランニング
・ブレーキやハンドルのコントロール
・データ収集やトレーニングなどのオフラインモジュール

紐劢科技アプリケーション層概略図

技術開発では一部のレベル3、レベル4機能の先行開発が完了しており、2020年の量産に向けて実施段階に入った。

徐雷氏によると、現在の提携パートナーはトップクラスのサプライヤーや国内大手自動車メーカーだという。また世界的に有名な国内ビルトインチップメーカーとの提携が決まったほか、スマートシティープロジェクトに関する政府との協議も進んでいるとのこと。今後は自動車メーカー向けの自動運転サービスと、スマートシティー構想に基づく政府への自動運転サービスの提案という2本柱で商業化を目指していく。

紐勱科技は設立時にエンジェルラウンドで1000万ドル(約11億円)を調達、現在は新ラウンドで資金調達を開始している。「まずは製品化のための資金を調達し、将来的には研究開発や人材確保に充てる資金の調達にシフトしていく。現段階では提携パートナーとの協力体制を強化し、技術の実用と商用化を目指すことが第一だ」。

創業者兼CEOの徐雷氏は米ニューヨーク州立大学で博士号を取得、テスラのコンピュータビジョンのシニアエンジニア、オートパイロット部門の中心メンバーなどを歴任。紐勱科技の技術チームと製品チームのメンバーは、テスラ、アップル、インテル、バイドゥ、トヨタ、ボッシュ、パナソニックなどから集まっている。
(翻訳・畠中裕子)

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