スマホ出荷台数が2億台を突破したファーウェイ、女子ウケがカギ

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ファーウェイは昨年末、2018年にスマートフォンの出荷台数が2億台を突破したと発表した。2017年に比べて5000万台近く増加したことになる。

2010ー2018 ファーウェイ端末の出荷台数(単位:100万台)

国内外の市場データを比較すると、ファーウェイの成長をけん引したのは海外市場だとわかる。

IT専門調査会社IDCのデータによれば、同社の2018年第1~第3四半期の出荷台数は1億4550万台に達し、前年同期比で3150万台(28%)増。そのうち、海外出荷台数は同2320万台(49%)増えており、全増加分に占める割合は74%となった。一方、国内出荷台数は830万台増に留まった。

2018年第1~第3四半期の海外出荷台数は7060万台に達しており、中国市場(7490万台)とほぼ同数。海外市場での成長率は国内よりも明らかに高い。同四半期の海外出荷台数は前出のとおり前年同期比49%増、一方、国内では同12%増と大きな差がついた。

香港の市場調査会社「カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(Counterpoint Technology Market Research)」のデータによると、国内市場では「honor」シリーズが成長をけん引した。2018年上半期、同ブランドの端末出荷台数は前年同期比32%増。一方、「HUAWEI」シリーズは同2%しか伸びていない。2018年第3四半期だけに限定すれば、両ブランドとも14%増加した。

海外市場ではHUAWEIシリーズが成長を拡大させた。honorシリーズも2018年上半期の販売台数は前年同期比150%増と大きく数字を伸ばしたが、全ブランドに占める割合は2割と大きくない。

国内市場が縮小し、競争が激化している今、今後のカギを握るのは海外市場であることは明らかだ。

また、女性市場を開拓したことも好調の要因だ。

例えば、「nova」シリーズは同社製の端末の中で、最も「らしくない」製品だ。ファーウェイの端末はビジネスユーザー、男性ユーザー向けといったイメージを持たれているからだ。同社コンシューマービジネスグループの何剛総裁によると、novaシリーズは女性ユーザーが最も多く、ユーザーの半数近くが女性だという。実際に、novaシリーズは、OPPOやvivoの端末のように「女性っぽい」というレッテルを貼られることがある。

ファーウェイはnovaシリーズの販売台数を公表していないが、公表されているデータから推測すると、novaシリーズの2018年の販売台数は4500万台程度で、これまでの2倍以上。2016年9月に発売されたnovaシリーズは、当初は見向きもされなかったが、2017年12月に累計出荷台数が2000万台を超え、2018年12月には累計販売台数が6500万台を超えたことが明らかにされた。novaシリーズの2018年の出荷台数は前年同期比2500万台増と見られ、全体の増加分である5000万台の半分を占めたことになる。

「HUAWEI P20」シリーズは2018年3月に発売されて以来、世界で1600万台以上出荷された。やはりユーザーの半分は女性だ。また、「mate 20」シリーズの発売後2カ月間の出荷台数は500万台を超え、こちらも女性ユーザーが約4割に達した。

もちろん、ファーウェイはどの端末にも「女性向け」のラベルをつけているわけではない。若さ、エンターテインメント、カメラといった特徴をアピールするとともに、いち早く若者好みのデザインを取り入れたり、カメラ性能を高めたりすることで女性ユーザーを惹きつけているのだ。こうしたアプローチは、近年のスマートフォン業界ではよく見られる。

ファーウェイだけでなく、シャオミ(小米科技)も海外および女性市場を開拓している。IDCのデータによれば、シャオミの2018年第1~第3四半期の海外出荷台数は100%以上増加しており、全体の5割を超えた。ファーウェイ、シャオミ、OPPO、vivoの4大メーカーで、海外出荷台数が国内出荷台数を超えた唯一のメーカーとなった。

女性ユーザーを取り込むために、シャオミは昨年、新製品のPRキャラクターとして中国の歌手ウー・イーファン(韓国の男性アイドルグループ「EXO」の旧メンバー)を採用。また、2018年11月には女性に人気の高いセルフィーアプリ「美図(Meitu)」と戦略的パートナーシップを結んだ。同社の技術を製品開発に役立てる計画だ。

ファーウェイとシャオミは市場を維持・拡大していくため、既存の基盤を固めつつ、海外市場、女性ユーザーの獲得を加速させるに違いない。
(翻訳・飯塚竜二)

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