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スマートホームは新しいコンセプトではないが、AI、5G、クラウドコンピューティング、モバイルIoTの普及の加速に伴い、この市場はいまだかつてないほど活気に満ち、多くの資本や大手企業が相次いで参入している。
以前から市場は同業界の順調な成長を予想していた。中国のスマートホーム市場規模は、2016年の2608億5000万元(約4兆7000億円)から2020年には5144億7000万元(約9兆3000億円)に拡大し、今後3年間(2021~2023年)の年平均成長率は約38.13%になるとみられている。
2021年第3四半期(7~9月)、スマートホームデバイスの世界出荷台数は前年同期比10.3%増の2億2180万台に達した。カテゴリー別にみると、ビデオエンターテインメントデバイスの市場シェアがトップで35.3%を占め、それにホームモニタリングおよびセキュリティーデバイス、スマートスピーカー、スマート照明器具、サーモスタットなどが続く。
最新データによると、中国におけるスマートホームデバイスの2021年上半期の出荷台数は約1億台で、年間では前年同期比14.6%増の2億3000万台になると予想されている。一方、アリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」では、2021年の大型セールイベント「双11(ダブルイレブン)」でスマートロックや窓拭きロボットなどの商品がIoT商品の中で最も人気だった。
スマートホームは消費者に受け入れられるようになってきているが、大手メーカーや中小のスタートアップが狙っているのは単品のスマートホーム製品ではなく、住宅全体をスマート化したスマートホーム市場だ。
ソフトウエアやハードウエアのエコシステムが充実して日々整備が進む中で、住宅全体をスマート化するスマートホームシステムは主にオーダーメイドやカスタマイズによりユーザーのニーズを満たし、人々がスマート生活サービスを受けられるようにしている。
ビジョンは輝かしいが、現実とは大きな開きがある。スマートホームはブームではあるが、住宅全体をスマート化するソリューションはめったになく、全体としては創成期にある。
「2021年スマートホーム業界の研究報告書」によると、住宅全体でスマートホームシステムを利用する消費者は現在2%にとどまり、9割以上の消費者はスマート製品を単品で使用している。いわゆる住宅全体のスマート化にはまだ多くの課題があるからだ。
真の住宅全体のスマート化は、消費者の考えを正しく理解し、ひいては予想までしてサービスを提供するべきものだが、既存製品はまだこの水準に達していない。まず、この分野ではIoTプロトコルやハードウェアの規格がまだ統一されておらず、製品の品質やアフターサービスを保証しにくい。その間にも各メーカーのスマート製品の差別化が進み、インターフェースが複雑化し互換性がなくなっている。メーカー間で協調が行われず一体感に欠けているので、本当の意味の相互接続を実現できず、ましてやデータとサービスに関するやり取りは難しい。
技術面では、多くのスマートホーム製品は本当のスマート化を実現しておらず、依然としてユーザーのスマホのアプリによる操作や、クラウドプラットフォームによるコントロールが必要だ。デバイスはコマンドを実行するだけで、自主的な意志決定能力は備えていない。さらに、技術は安全性の問題についても厳しい検査が必要で、プライバシー漏洩には地雷のようにリスクが潜んでいる。
また、世界的な半導体不足もスマートホームの産業チェーンに波及している。この産業の川上にはチップ、センサー、プリント回路板(PCB)、コンデンサー、スマートコントローラーなどの部品やミドルウエアのサプライヤーがあるが、納品までの時間が長期化するのに伴い、長期にわたる供給不足がスマートホーム製品の生産能力を制限し、さらにコストの押し上げ圧力も強まっている。業界内外からの難題に直面し、スマートホームが王者になる日はまだ遠い。
作者:WeChat公式アカウント「格隆滙新股(ID:ipopress)」
(翻訳:36Kr Japan編集部)
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