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新興コーヒーチェーンの「Coffee Box(連珈琲)」が北京、上海、広州、深圳、杭州の5都市に、ブランディングに特化した大規模な「コンセプトショップ」を続々とオープンさせる予定だ。
36KrはCoffee Boxが杭州に少なくとも10軒のコンセプトショップ、旧正月明けには上海に最大規模の旗艦店をオープンするという情報を入手した。旗艦店の立地は上海のファッションスポット「新天地」になる予定だ。同社初のコンセプトショップは2018年12月、北京のオフィスビル「望京SOHO」内にオープンした。
同社の計画によると、今後、北京や上海、広州、深圳、杭州などの一級都市に50〜60軒のコンセプトショップをオープンさせるとのことで、その多くは華東地区になるという。
Coffee Boxの関係者は華東地区を重点地域と定めていることについて「華東地区はコーヒー消費量が多く、中でも杭州は新興コーヒーチェーンの重要市場となっている。そのため、杭州に10軒の大型コンセプトショップをオープンすることに決めた」と明かしている。現在、その10軒はすでにプレオープンの段階に入っている。
Coffee Boxは北京、上海、広州、深圳にすでに約400軒の「コーヒー工房(小規模店舗)」を構えているが、同店とコンセプトショップの違いは規模や立地。また、コンセプトショップは、ブランディング、新製品のモニタリング、顧客との交流の場などの役割を担うことになるという。
大型店はコストが高く、現在でも「スターバックス」や「Costa Coffee」など、限られた有名ブランドしか運営できていない。同じく新興コーヒーチェーンの「luckin coffee(瑞幸咖啡)」は全国に1000店舗以上を構えるが、ほとんどがスタンド形式の店舗。座るスペースがある店舗でさえ、スターバックスと比べると小規模だ。
Coffee Boxも同様に、低コストの小規模店を各地にオープンして消費者のニーズに応えてきた。同社は2017年末には黒字化を実現しており、コーヒーの年間販売量もluckin coffeeと同規模になっている。しかし、同社の張洪基CMOは「小型店を数多くオープンしているにも関わらず、ほとんどの消費者が我々のロゴすら知らない」と述べている。大型コンセプトショップは同社のブランド認知度を向上させるだろう。
オンラインデリバリーサービスやソーシャルプラットフォームを通じて大量のオーダーを受けられるものの、実店舗の売り上げも軽視できない。中国に約3000店あるファミリーマートは、2018年に約5000万杯ものコーヒーを売り上げた。luckin coffeeの場合は、来店客の注文数とオンラインの注文数はほぼ拮抗しており、オフラインの重要性は同社がデリバリーサービス「美団外売(waimai.meitutan.com)」と提携した主因でもある。
コーヒー市場のニューリテール戦略は加速化しており、各企業はオンライン展開とオフライン展開の双方を重視する傾向がますます強まっている。
スターバックスは2018年8月、アリババと提携して、フードデリバリー「餓了麼(Ele.me)」を活用した配送サービスをスタートさせた。同時に、実店舗の拡充にもいまだに積極的で、同社は2022年までに店舗数を6000店以上にする計画だ。
また、luckin coffeeはオンラインサービス向けのキャンペーンを展開し続けるとともに、実店舗も続々とオープンさせている。2018年12月25日時点での店舗数はすでに2000店に達した。
luckin coffeeと比べると、Coffee Boxの実店舗展開はまだまだ慎重に見えるが、設立4年が経ち、実店舗改革に乗り出すようになった。それだけ中国におけるコーヒーチェーンの競合が激しくなっている証拠だろう。
(翻訳・飯塚竜二)
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