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中国インターネット情報センター(CNNIC)の報告によると、2018年6月時点で、中国のインターネットユーザー8億200万人のうち、動画を視聴するユーザーは76%に上り、ショート動画共有アプリの利用率は74.1%、ライブ動画配信アプリの利用率は54.7%だった。人々が動画コンテンツに多くの時間や関心を向けていることがわかる。
この動画ブームにあやかろうと、事業者も様々な試みを始めている。eコマースは動画マーケティングを取り入れ、オンライン教育やeスポーツ中継などのサービスプロバイダが急成長している。
映像制作技術を提供する「OnVideo」は、これらの事業者向けに操作性の良いクラウド制作プラットフォームを開発した。OnVideoはツールを入り口として、素材ライブラリ、オンライン編集、共同作業、クラウドレンダリング、一括送信など、全プロセスをカバーした「セントラルキッチン」方式のサービスを提供しており、テンプレートやAIを使って動画制作の効率を向上させる。
画像及び音声のスマート認識技術により、OnVideoでは高画質化、字幕の自動作成、ナレーションの自動生成が可能で、ライブストリーミング中の分割や合成もできる。AIの活用で技術的なハードルが下がり、手作業が減ったことで、効率良くタイムリーなコンテンツを提供できるほか、ソフト・ハード面で負担が少ないクラウドプラットフォームで環境に左右されずに動画を制作できる。
共同創業者でCTO(最高技術責任者)の劉歧氏によると、OnVideoはAdobe「Premiere」やアップル「Final Cut」などのハイエンド製品をベンチマークにしているわけではないという。むしろ、動画制作市場のロングテール部分に着目して、動画のクオリティーにそれほどこだわらない顧客に向けて軽さと機能性を備えた低コストのSaaS商品を提供するという。
OnVideoのSaaS商品には無料版とサブスクリプション版があり、大口顧客に向けたカスタマイズプランもサポートしている。現在、新華社通信を始め、数百社のセルフメディアと契約している。
AI+動画制作の分野には、技術力があるメーカーや動画プラットフォームなどが続々と参入している。OnVideoは、素材メーカーやコンテンツ配信プラットフォームなどサプライチェーンの上流・下流と提携して、素材の使用からオンライン制作、配信までをシームレスに連携させることで、競争力を高める考えだ。
劉氏は「すでに飽和状態になっている消費者向け動画市場に比べて、事業者向けの市場では動画の使用や制作のニーズがますます高まるとみられる。今後の動画業界で最も成長が見込める市場であり、コンバージョン率が高い優良市場になるはずだ」と語る。
OnVideoのチームには現在11人が在籍。創業者でCEOの余世兵氏は中国最大のCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)事業者「藍汛(ChinaCache)」で製品ラインの責任者を務めた経歴を持つ。創業者でCTOの劉歧氏は藍汛、「高升(GOSUN)」「キングソフト(金山)」でストリーミングメディアのエキスパートとして数々の大型プロジェクトを指揮してきた。
(翻訳・畠中裕子)
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