ファーウェイ、創業者長女の孟氏が後継者に前進か。輪番会長初の入れ替え

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通信機器大手ファーウェイの輪番会長の一人として新たに孟晩舟氏が選ばれた。同氏は創業者の任正非氏の娘で、これまで副会長兼最高財務責任者(CFO)を務めてきた人物だ。ファーウェイは2021年の決算を発表した5日後の今月2日に役員人事を発表し、孟氏が日常的な経営の指揮を執る輪番会長として同社の最高経営者層入りすること、副会長兼CFOとしても続投すること、また郭平氏が輪番会長を退き監査委員会委員長に就任することを発表した。

ファーウェイは2018年から輪番会長制度を採っており、郭平氏、徐直軍(エリック・シュー)氏、胡厚崑(ケン・フー)氏の三人が6カ月交代で務めている。三人はいずれも勤続約30年の元老クラスだ。

輪番会長は在任期間中、ファーウェイの経営トップとして取締役会や取締役会常務委員会を統括する。現任の胡厚崑氏の任期は今月1日から9月30日まで。これまでの順番から見ると、郭氏の後任に選ばれた孟氏の最初の任期は2023年4月1日から9月30日までになると考えられる。

ファーウェイで輪番会長制度が採用されて以来、今回が初のメンバー交代となる。創業者の任正非氏は以前から繰り返し「ファーウェイは永遠に家族には継がせない」「(娘の)孟晩舟を後継ぎにすること永遠にはない」と述べてきたが、今回、孟氏が輪番会長に抜擢されたことで多くの憶測を生んでいる。

孟氏が今後ファーウェイのトップを引き継ぐ可能性について、同社は明確な回答を避け、企業統治の仕組み改善に努めていくと説明するにとどまった。

ファーウェイは設立から35年をかけ、一貫して上場はせず従業員持株制度を採用するなど独自のカルチャーやガバナンス体制を作り出してきた。輪番会長制度を採用する世界でも数少ない企業だが、同制度は任氏が依然として同社の中心的存在であることを前提に成り立っている。任氏が後継者を決めかねていることに対しての一種の妥協策として採った制度とも言え、同社の後継者問題はこれまでも広く注目されてきた。

任正非氏

「華為的世界(ファーウェイの世界)」の著書があるジャーナリストの冀勇慶氏はロイター社の取材に応じ、ファーウェイは同制度を通じて経営者の世代交代を円滑に進める狙いがあると分析した。任氏は過去に、輪番CEO(2018年に輪番会長に変更)制度は、一個人に全権力を集中させるこれまでの制度よりも優れていると述べ、企業の命運をたった一人の人間に任せれば、「成功も失敗もその一人に因るものとなってしまう」としている。

孟晚舟氏は三人の輪番会長で最年少のメンバーだ。最終的に後継者に決まるかは別としても、大きな一歩を進めたことには違いない。

同氏がファーウェイに入社したのは1993年。同じ輪番会長の徐直軍氏とは同期だ。孟氏はファーウェイの財務改革の功労者で、財務組織構成をグローバルで統一し、業務フローや制度の構築、ITプラットフォーム構築を指揮してきた。さらにデジタル化改革も牽引し、ファーウェイのデータ管理システムを確立した。ファーウェイの公式サイトには「彼女の主導の下、ファーウェイの財務組織は世界最先端のデジタル化とスマート化を実現し確固たる経営基盤を築いたほか、新時代の戦略実現に貢献した」と記されている。

孟氏は2011年に常務取締役およびCFOに、2018年に副会長に就任。最近公の場に現れたのは先月28日の決算発表会で、カナダでの拘束期間を終え帰国して以来初だった。

作者:WeChat公式アカウント「字母榜(ID:wujicaijing)」、高達
(翻訳:山下にか)

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