100平米の部屋、わずか30分で3Dモデル生成。VR・デジタルツイン「3DNest」、不動産・展示会などで活用広まる

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VR・デジタルツインサービスプロバイダー「3DNest(衆趣科技)」がこのほど、シリーズBで資金調達した。リードインベスターは「SIG Asia Investments(海納亜洲)」など、コ・インベスターは既存株主の「華映資本(Meridian Capital China)」。

3DNestは2014年設立、AI 3DマシンビジョンとSaaSクラウド技術に基づいたVR・デジタルツインクラウドサービスのプロバイダーだ。自社開発の3Dスキャナで3Dデータを集め、VRクラウドサービスプラットフォーム上で自動処理して簡単に表示、編集、シェアの可能な3Dデジタル空間を生成する。

創業者の高翔氏によると、100平方メートルの3LDKであれば、現場のスキャンからモデル完成までわずか30分で、複数の端末で利用できるリンクを生成することも可能だ。従来のような測量と設計士の手作業なら少なくとも4日が必要になる。

スピーディなモデリングには効率のよいデバイスが欠かせない。3DNestはシーンに合わせた性能の異なる「SPACCOM」シリーズのスキャニングカメラを発表しており、室内用の3D Proシリーズスキャナ、室内屋外ともに利用可能なレーザースキャナ、そしてAIパノラマカメラがある。AIパノラマカメラは軽量で携帯に便利でコスパ重視のユーザー向けの低価格だが、深層学習(ディープラーニング)により3D空間を再現し、平面画像を三次元のポイントクラウド空間に変換することができる。

3Dデータ用デバイス、AIアルゴリズムのほか、3DNestの核となるもうひとつの事業がVRクラウドサービスだ。同社のVRクラウドサービスプラットフォームは、展示および編集管理の2つのプラットフォームから構成される。展示プラットフォームはWeb GLのレンダリング標準に基づくもので、ユーザーはPCブラウザやモバイルブラウザ、WeChat上などで、プラグインなしに3Dデジタル空間を表示することができる。編集管理プラットフォ―ムは、オンラインで3D空間コンテンツの編集管理をサポートする。プラットフォームを通じて提供される編集管理ツールを使って文字、動画、音声などの素材を追加することができ、コンテンツ利用者の行動データの収集、管理も可能だ。

3DNestのVRデジタルツインソリューションの利用シーンは、主にVR内見、バーチャル展示、バーチャルショッピング、スマートセキュリティ、デジタルツアーやバーチャル美術館の鑑賞など、不動産、旅行、文化、EC、建築といった分野に広がる。不動産大手「万科(vanke)」、ファーウェイ、アリババ、中国国家博物館など、1000社以上にサービスを提供しており、これまでに1億平方メートルを超える空間を複製した。

VR内見ではVRクラウドプラットフォームで簡単に間取り図、室内の画像を生成でき、バーチャルで物件の説明や案内などが可能になる。部屋の立体構造がわかり、間取りやサイズを確認できる。バーチャル展示では主にウェブ3Dクラウド技術を使用してクラウド上の会場に製品を展示し、オンラインで音声解説する。バーチャルショピングでは、AI 3DビジョンアルゴリズムとVR3Dレンダリング技術により、クラウドショッピング、バーチャルショッピングなどインタラクティブな三次元のショッピング環境を生成することができる。デジタルツアーやバーチャル美術館の鑑賞ではレーザーデバイスとポイントクラウドでの全自動アルゴリズムを採用し、VR3D画像レンダリング技術により、クラウド上に実際と同じ空間を再現する。

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高翔氏は次のように語る。「3DNestは実在する空間をインターネット上に『クローニング(複製)』することにより、次世代3Dインターネットとメタバースで活用できる膨大なデータを蓄積している。しかし空間の3D再構築は単なる始まりに過ぎず、付加価値サービスがさらに強化され、簡単に相互リンクできるようになって初めてメタバースの真の価値を十分に発揮することができる」

3DNestはデバイスの販売とクラウドサービス利用料から収益を得ており、標準サービスのほかユーザーの要望に応じてカスタマイズサービスも提供する。直近2年は収支均衡の状態となり、今年から本格的に海外進出計画も始動する。

(翻訳・36Kr編集部)

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