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アリババ傘下の金融サービス会社、「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」が越境EC決済サービスを手がける英国の「WorldFirst」を買収し、完全子会社化したことがわかった。買収額は7億ドル(約770億円)とみられるが、アント・フィナンシャルは買収についてコメントを避けた。
2004年に設立されたWorldFirstは、主に外貨両替、海外送金、越境EC業者の代金受け取りや決済を手がける。買収される以前は、米国、オーストラリア、香港、オランダに拠点を構えて、中国では2万社を超える越境EC業者にサービスを提供していた。
WorldFirstは昨年6月、中国当局に事業展開に関するライセンスを申請したが、1月24日に申請を取り下げた。アントフィナンシャルによる買収が完了すれば、ライセンスを申請しなくても中国大陸で事業を展開できるからだとみられていた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は2018年末、この買収の件を最初に報じた。その直後にWorldFirstは事業を再編し、米国から撤退した。アント・フィナンシャルが同社の買収を進める過程で米国当局に妨害される可能性を排除するためだ。
アント・フィナンシャルは、米海外送金サービス会社「マネーグラム(MoneyGram)」を12億ドル(約1320億円)で買収する計画を2017年から進めていた。しかし、この計画が今年初めに対米外国投資委員会(CFIUS)に却下されて、アント ・フィナンシャルが断念した経緯がある。
アント・フィナンシャルは、すでに買収、出資、提携により、日本、韓国、東南アジア、インド市場に進出している。一方、欧州事業は各国の銀行やごく一部の決済代行会社との提携が中心で、これまでに欧州の海外送金サービス会社を完全子会社化したことはなかった。今回の買収は英国金融行動監視機構(FCA)の承認も得ている。同社にとって大きな飛躍であり、大胆なチャレンジだと言えるだろう。
(翻訳者:池田晃子)
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