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インターネット大手が近年相次いで医学知識普及の分野に参入し、関連アプリは人々が健康に関する知識を獲得する重要な手段になっている。大手の医学知識普及プラットフォームに医学関連の画像や動画を提供する「佰医絵(BioHues Digital)」は、視覚情報の伝達技術を駆使して医学知識を可視化する。画像、動画、対話などの技術(ソリューション)で知識を理解しやすくし、情報交流の効率を高めている。
共同創業者の劉悦CEOは「当社は高度なカスタマイズサービスを提供する。プロジェクトごとに料金を徴収しており、プロジェクトの複雑さ、期間、規模によって価格は8000~20万元(約16~400万円)になる。インターネット企業からの注文は月に20~50万元(約400~1000万円)で、1プロジェクトの利益はおよそ30~40%だ」と話す。佰医絵の中国、海外向けプロジェクトによる売り上げは2021年に約1000万元(約2億円)だった。
ただ、劉CEOも「カスタマイズはコストが高くサービスにも限りがあり、しかも模倣されやすくオープンソースとなると価値がさらに下がる。これまでのプロジェクトでの経験と蓄積してきた資源、例えばデータを可視化するプロダクト、画像、動画、研修用ビデオなどをモジュール化したソフトウェアに変換し、SaaSモデルで病院、製薬企業、医療機器メーカーなどにサービスを提供できれば将来性が高い」とみる。
劉CEOによると、欧米ではSaaSモデルが成長しているが中国では意識が低く医学とビジュアルデザイン双方を理解できる人材が不足しているため、医学情報の可視化サービスは主に従来の動画会社や広告会社が担っているという。SaaSモデルはまだ初期の段階にあり、医学分野の可視化事業は佰医絵など新興企業しか行っていない。
劉CEOは近年業界も急速に変化してきたと指摘したうえで「まず新型コロナの感染拡大前にデジタル医療が広がり、テンセント傘下の医療辞典『騰訊医典(Tencent Medpedia)』などの医学知識普及プラットフォームが登場した。当社も大量の画像を提供し、アプリのビジュアルのレベルを上げて中国の医学画像産業をけん引した。その後医薬、医療機器企業で相次いで3D動画などデータ可視化の需要が高まった」と語る。中国の5カ年計画でも、3D図形、VR(仮想現実)などの開発ツールの技術革新を促進し、デジタル化の構築を推進すると示されている。
世界の医学動画の市場規模は20年の約2億3100ドル(約300億円)から、27年までに約7億9800ドル(約930億円)に成長し、同期間の年平均成長率(CAGR)は19.2%になると予想するデータもある。このほか、新型コロナの影響でデジタル医療のうち医学交流や研修関連の市場拡大が見込まれる(21~28年の予測CAGRは38.3%)。
劉CEOは、中国本土市場の需要と素材のデータベース構築を結び付けてSaaSでサービスを提供するところにチャンスがあるとみる。さらに「佰医絵は医学情報可視化のモデルベースを構築済みで、現在の重点業務は医科大学、医療機関、メーカーの具体的な使用シーンについて市場のペインポイントやニーズを捉えることだ。例えば医師と患者の意思疎通、医学生の教育、新しい医療器械(例えば構造的心疾患のための消耗品、手術ロボット)の普及、訓練などだ」と話した。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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