原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
米国に上場しているインターネット金融企業の評価額ランキングに変化が生じている。
36Krの大まかな統計では、米国に上場しているネット金融企業11社のうち、3月20日時点で2018年第4四半期決算および通年決算を発表しているのは6社だった。同日の取引時間終了後に、「360金融(360 Finance)」が上場後初の決算を発表した。第4四半期の売上高は261%増、純利益は300%増で、決算を発表した6社のうち最大の増加率となった。
これを受けて、360金融の株価は時間外取引で4.48%値上がりした。
決算発表当日、360金融の時価総額は24億8000万ドル(約2756億円)となり、米国に上場する中国ネット金融企業のなかでトップに躍り出た。
ネット金融企業のランキングが変化したのには、以下の要素が影響したためとみられる。
まず挙げられるのが、2018年の規制強化と市場変化による影響だ。2017年末にネット金融リスク特別対策弁公室とP2Pネット貸借リスク特別対策弁公室が「キャッシング業務の規範化に関する通知」を発表し、市場への締め付けが強まった。
2018年前半には「デレバレッジ」政策により流動性が悪化、消費者金融市場で経営破綻が相次いだ。これに上述の規制強化が重なりネット金融企業の売上高は減速、それに伴い時価総額も大きく変化した。米国に上場するネット金融企業11社のうち、発行価格を維持できている株式は「宜人貸(yirendai.com)」と「点牛金融(dianniu98.com)」のみで、他社の株価は大幅に下落した。
次に、360金融の母体である「360グループ」のバックアップだ。360金融CEOの徐軍氏が決算発表後にメディアに語ったところでは、360金融は360グループから独立したとはいえ、親会社のブランド力やトラフィック、データにおける優位性のおかげで、高いリスクコントロール能力を持ち、延滞率と顧客獲得コストを低く抑えられているという。「このアドバンテージは持続的なものだ」と徐氏は語る。
三つ目は、規制強化によりトップ企業が恩恵を受けたことだ。「ネット消費者金融のうち、トップ企業のプラットフォームは業界全体に比べ増加率が大きい」と徐氏は指摘する。市場ニーズは依然として存在するため、規制強化により利用者がコンプライアンスを掲げるトップ企業に流れ、それらの企業にアクセス増効果をもたらしたのだ。
売上高、純利益ともに3ケタ成長している360金融だが、同社の株価は発行価格前後で推移、時価総額も上場時の23億ドル(約2556億円)からわずかな増加にとどまっている。米国市場でネット企業の評価がいまだ安定していないことの表れだろう。
(翻訳・畠中裕子)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録