中国が世界一のキャビア生産国に、価格と品質で競争力を誇る

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中国が世界一のキャビア生産国に、価格と品質で競争力を誇る

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【新華社杭州9月9日】欧州最大のキャビア販売業者の一つで、ドイツのベルリンに本拠を置くインペリアルキャビア社でマネージングディレクターを務めるラミン・コロウジ氏はこのほど、同社がベルリンで販売しているキャビアは全て中国ブランド「卡露伽(カルーガクイーン)」の製品だと明らかにした。このブランドは杭州千島湖鱘竜科技が生産するキャビアのブランドだ。

キャビアはチョウザメの卵から作られ、ロシアとイランが生産国として一時有名だった。生産量が少ないことから「黒い金」とも呼ばれる。多くの国では乱獲や密漁によって天然チョウザメの数が急激に減少したことを受け、その捕獲を禁じている。中国はカラチョウザメなど天然チョウザメの保護を目的として、チョウザメの人工養殖を認め、中国企業がキャビア生産を行う条件を整えた。中国は今や世界一のキャビア生産国になっており、杭州千島湖鱘竜科技の1社だけで世界生産量の約3分の1を占める。

中国は伝統的な意味でのキャビア消費国ではなく、中国産キャビアは海外進出時に怪しまれることもあったが、最終的には品質で評判を得た。ルフトハンザドイツ航空は2011年にキャビアのサンプル25種類のブラインドテストを実施。その結果、予想外にも「カルーガクイーン」のキャビアが続けて首位に選ばれ、それ以降、同社は一貫して「カルーガクイーン」のキャビアを使用している。

国際市場において、中国産キャビアはその価格ではなく、品質で抜きん出た競争力を誇る。杭州千島湖鱘竜科技の王志剛(おう・しごう)国際事業部総経理は先ごろ、浙江省衢州市の生産・養殖基地で「現在の価格はライバル製品を全く下回っていないが、それでも人気が高い」と語った。米国が中国に経済・貿易紛争を仕掛けた後、一時は米国の顧客を失うことを懸念したが、「実際には、品質が優れているとして、米国の顧客の大多数が値上がり圧力にさらされても購入の継続に意欲的で、注文は減るどころか逆に増えている」と明かした。

コロナ禍が世界経済に深刻な打撃を与える中、杭州千島湖鱘竜科技のキャビア輸出は増えている。21年と22年上半期(1~6月)の輸出量と売上高は前年同期比でともに大幅増となり、うち22年1~6月は輸出量が30%、売上高が50%伸びた。

同社の顧客であるインペリアル・キャビアも同じような見識を持つ。コロウジ氏によると、欧州市場では中国産キャビアに対する需要が非常に大きく、供給が追いつかないケースも発生している。同氏は「幸いにも信頼できるパートナーがいる」とし、その「信頼」は「カルーガクイーン」のキャビアの質の高さと品揃えの豊富さから生まれたとの認識を示した。

欧米市場で足場を固めた「カルーガクイーン」は国内市場の開拓とともに、東南アジアなど新興国市場への参入を進めている。杭州千島湖鱘竜科技の夏永濤(か・えいとう)常務副総経理は「シンガポールや日本などアジア市場ではキャビア消費の潜在力が大きい。より多くの国・地域の消費者に『メードインチャイナ』のおいしさを味わってもらいたい」と語った。

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