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4月23日、ニュースサイト「南方網(southcn.com)」が報じたところによると、「深圳経済特区内での喫煙制限に関する条例修正案(草案)」が第6期深圳市人民代表大会常務委員会第33回会議に提出された。草案の中で、電子タバコは従来の紙巻きタバコと同等であるとして、室内や屋外の切符売り場、待合室など人の密集する場所での使用を禁止することが明示された。
深圳市だけでなく、香港や杭州市などでも同様の禁煙条例が施行されている。香港では電子タバコそのものを禁止、杭州市では禁煙エリアでの電子タバコ使用が禁止されており、違反者は最高2万元(約33万円)の罰金だ。シンガポールや米国などは早くに電子タバコを禁止している。
電子タバコを禁止する主な理由は、健康上のリスクだ。
電子タバコが登場した頃は、「禁煙をサポート」、「健康リスクが低い」といった売り文句が並んだ。しかしその信ぴょう性には多くの疑問が投げかけられている。
米フォーチュン誌の中国語サイトによれば、電子タバコ使用者の多くが最終的にはニコチン中毒になり、長期的な喫煙者の半数は喫煙に起因する疾患で死亡するとの研究報告があるという。中国国営中央テレビ(CCTV)が「世界消費者権利デー」にあわせて毎年3月15日に放送する特別番組「315晩会」では、電子タバコにも多くの有害成分が含まれていることが実験で証明されたほか、一部の電子タバコ用リキッドでニコチン含有量の表示がいい加減だったり、ニコチン含有量が基準を大幅に超えていたりする問題が指摘された。
電子タバコ用のリキッドは化学物質を合成したもので、ニコチン以外にも未知の有害化合物を体内に取り込む可能性がある。また電子タバコにも受動喫煙のリスクが存在する。
36Krの概算統計では、今年上半期だけでも資金調達に成功した電子タバコメーカーは10社以上ある。通信機器メーカー「スマーティザン・テクノロジー(錘子科技)」創業者の羅永浩氏も電子タバコ事業への進出を始めた。しかし、電子タバコ業界が活況に沸く一方で、政府は規制の強化を進めており、これが業界の行方を左右する最大の不確定要素となっている。
今の電子タバコ業界は、ちょうどブロックチェーン技術の一大フィーバーを彷彿とさせる。この先にあるのはブロックチェーンと同様、規制強化による業界再編なのだろうか。
(翻訳・畠中裕子)
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