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EV(電気自動車)向け充電設備・サービスを手がける「匯充電(HOOENERGY、正式社名:匯能新能源科技)」が2022年に累計2億4000万元(約46億円)を調達したことがわかった。海爾資本(Haier Capital)や智数資本(Stalagnate Capital)からエクイティファイナンスを実施したほか、江蘇銀行深圳支店、興業銀行などからデットファイナンスを実施したという。調達した資金は主に新型都市インフラ向けサービス事業とその拡張に充てる。
匯充電は2016年に設立され、EVの目的地充電の運営ソリューションを提供する。ガソリンスタンドと同様の経路充電に比べ、目的地充電はより利便性に富む。カーオーナーは居住地周辺、勤務地周辺、複合商業施設など日常生活の中で滞在したり立ち寄ったりすることの多い場所や施設の駐車場で必要に応じていつでも充電ができる。
中国の業界団体・全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)が発表した最新データによると、22年1月〜11月の期間、中国では前年の倍にあたる625万3000台の新エネルギー車が生産された。また自動車販売総数に占める新エネルギー車の比率は36.3%で、前年の20.8%を大きく上回った。新エネルギー車の普及が加速するにつれ、充電スタンドなどインフラに対する需要も拡大し続けている。22年1月に公布された関連政策では、「第14次五カ年計画(21〜25年)」期間中にEV2000万台分の需要を満たせるだけの充電設備を整備する計画だとしている。
充電サービスに対する需要が日ごとに増していることを受け、匯充電はカーオーナー・物件管理企業・運営パートナーに向け、一体型の充電ソリューションとサービスを提供している。
ハードウェアに関しては、匯充電は充電スタンドにARMアーキテクチャーとLinuxカーネルを導入し、各種リモートプラグラムの開発をサポート。目的地充電の利用場面に一層適合するよう工夫する。目的地充電の充電設備は各地に分散するために修理やメンテナンスの難度が高いが、匯充電の充電スタンドはこれに対応できるよう、稼働状態を遠隔でモニタリングし、自動で故障診断を実施して保守作業の指示を出す。スマート診断システムとO2O(Online to Offline)メンテナンスシステムが結びつくことで充電スタンドのメンテナンスの質や使用率を大幅に高めている。
匯充電は充電スタンド周りの関連製品も提供する。共同創業者の党霏霏氏は「目的地充電設備で試されるのは運営能力そのものよりも、充電スタンドとその周辺設備の総合的な技術力やサービス力だ」と述べる。例えば匯充電では自社でエッジゲートウェイを開発し、通信の安定性を保証するほか、電力メーターを開発して計量の正確さを保証し、消費者の利益を守ったり、車止めを取り入れてガソリン車によるスペース占有を防いだりしている。
ソフトウェアに関しては、匯充電の中心メンバーが物件管理サービスシステムや自動受付システム、自動パーキングシステムに携わった経験を生かして、独自に「匯能雲SaaS運営管理プラットフォーム」を開発し、ハードウェアに付帯させた。充電スタンドの運営事業者はプラットフォームから稼働データを取得することで、修理やメンテナンスなどに適時対応できるようになる。物件管理企業や不動産所有者もプラットフォーム経由でリアルタイムの自動決済、フレキシブルな精算を行い、決済効率を大幅に上げられる。
中国の電力資源配分をスマート化させるにあたり、EVは重要な変数になると党氏は述べる。匯充電は競合他社と比べ、スマート化・精密化された運営能力を要としており、高度にスマート化された資産を投入してネットワーク効果を高めることで顧客体験を向上させる。精密なデジタル化運営で総資産利益率を高めるが、こうしたデジタル化運営力は、中国で自動車の電動化が進む流れの中で充電サービス企業が恩恵を得るための核心となる。
匯充電の事業エリアはすでに中国の25都市にまで拡大。充電設備4万台以上を運営し、100万人のカーオーナーにサービスを提供している。全国トップ100位に入る不動産管理企業、不動産企業の60%と提携しており、会社所在地の広東省深圳市では95%以上の有名建築物に導入され、90%以上の新エネルギー車のオーナーがモバイル端末でユーザー登録しているという。
(翻訳・山下にか)
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