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誰もが自分の言葉が歌になることを願ったことがあるだろう。音楽プラットフォームコミュニティ「菠蘿BOLO」がそんなときに役に立つかも知れない。
昨年、音楽共有プラットフォームから音楽動画コミュニティ商品にアップグレードした菠蘿BOLOは、PGC(専門家により制作されたコンテンツ)の音楽バラエティ番組やUGC(ユーザーにより制作されたコンテンツ)の音楽コンテンツ、「ドラマー王文博のバンド」といった課金コンテンツなどを配信しているほか、音楽制作AIシステムも開発しているという。今般、菠蘿BOLOが、音楽理論が分からない素人ユーザーでも自作の歌詞を入力するだけで歌が創れるというシステムを正式に発表した。
なぜ「言葉を歌にする」製品を作るのか
菠蘿BOLOの郝舫CEOによれば、文化的なエンターテインメント業界全体の中で、音楽はインターネットによって変えられていない唯一の分野だと考えられる。誰もがショートビデオを制作したりネット文学を書いたりし、ネットドラマやネットバラエティがテレビ番組を抜いて主流になりつつあるこの時代にあっても、音楽制作は依然として最も伝統的なスタイルを維持しており、ミュージシャンに独占されている業界だ。ほとんどの人は聴衆として音楽を聴いているだけで、主体的な音楽ヘの参加といえば、せいぜいカラオケを歌う程度だ。
この音楽制作AIシステムにおける最大の参入障壁は、AIシステムの構築と進化に関わる楽曲のテンプレートを、音楽を詳しく理解しているプロのミュージシャンが作成する必要があるということだ。プロのミュージシャンが一定のルールをAIシステムに学習させると、新たなテンプレートが生成される。そうしなければAIシステムは「めちゃくちゃ」な制作サイクルに陥り、制作された楽曲は人手によるフィルタリングが必要になる。
同時に、テンプレートの作成においては市場の既存の楽曲との重複を避けなければならない。さもなくば著作権の問題が発生するが、現在テンプレートの蓄積はまだ初期段階にあり、そのリスクは低いとされる。菠蘿BOLOのアドバンテージは世界で数百人がこのプロジェクトに参加しており、78万曲のテンプレートを蓄積しているという国際的な音楽リソースにあるのだ。
音楽産業を変えるプラットフォームになるにはどうするか
菠蘿BOLOのロジックとは、ユーザーが自作した歌詞を元に、AIシステムがその歌詞に応じた楽曲を生成するというものだ。その楽曲をプラットフォームから配信し、人気ランキングの上位3%-5%の楽曲に対して、菠蘿BOLOが修正と補足を行う。その楽曲を、さらにその他プラットフォームでも配信するか、30秒バージョンをTikTokなどのショートビデオプラットフォームに配信するか、をユーザーが決めることができる。
現在菠蘿BOLOはすでに投げ銭(チップ)機能をローンチしている。しかし一般の投げ銭の仕組みと異なるのは、投げ銭を送ったユーザーはその後楽曲が売れた場合、その印税収入の一部を受け取り続けることができるという点だ。つまり、菠蘿BOLO、クリエイター、投げ銭を送ったユーザーの三者が印税収入の分け前を得ることになる。投げ銭は音楽への初期の投資となり、クリエイターの継続的な創作活動への応援にもなるが、参加できる人数は限られている。
音楽コミュニティ商品の大きな弱点はユーザーが飽きやすく、商品が進化する伸びしろが小さいということだ。これについて菠蘿BOLOでは、異なったテンプレートにより、同じテーマの歌詞でも異なるスタイルの作品を創作したり、リズムの最適化を行ったりといった、後に続く様々な遊び方を提案している。
昨年末の菠蘿BOLOの1日当たりのアクティブユーザーは約100万人であったが、新バージョン公開後は1週間でアクティブユーザーが130万に達している。
音楽業界に新風を吹き込んだ菠蘿BOLOのブレークスルー的な試みにより、高度の専門的な素質とリソースを必要とするこの業界を変えることができるか否かについては、まだ時間による検証が必要とされる。
(翻訳・桃紅柳緑)
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