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中国の投資銀行、華興資本控股(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)は4月2日、2022年の監査済み決算の発表を延期し、翌3日より22年の監査済み決算の発表まで株式の売買を停止すると発表した。監査法人から、同行の包凡・会長兼最高経営責任者(CEO)と連絡が取れるまでは監査を完了し、決算報告書に署名できないと伝えられたことが理由だという。包会長は2月以来、音信不通となっている。
4月2日に発表された未監査の22年決算は、最終損益が約5億6400万元(約110億円)の赤字に転落した。21年は約16億2400万元(約310億円)の黒字だった。売上高は前年比36.6%減の約15億8700万元(約310億円)で、うち投資銀行事業の売上高は61.6%減の約4億2300万元(約80億円)だった。
華興資本は、中国テック企業のM&A(合併・買収)支援などに強みを持つ投資銀行として知られる。2月16日、同行の実質的支配者である包氏が数日間にわたって消息不明だと報じられると、テック業界に激震が走った。同行は2月26日、包氏が中国当局の調査に協力していると発表し、同行も法律に従って調査に協力すると表明した。調査の詳細には言及しなかった。
中国政府は現在、金融業界の取り締まりと汚職撲滅に向けた取り組みを強化している。華興資本の前総裁で工銀国際(ICBC International)の前会長、叢林氏は22年9月から当局の取り調べを受けている。一部メディアは、包氏に対する調査はこの件と関連しているのではないかと報じている。
*2023年4月4日のレート(1元=約19.3円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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