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バーチャルSNSアプリ「秀蛋(XiuDan)」を運営する「秀蛋科技(XiuDan Technology)」が、プレシリーズAで数百万ドル(約数億円)を調達した。リード・インベスターは「啓明創投(QIMING VENTURE PARTNERS)」。秀蛋科技は過去にエンジェルラウンドで「五岳資本(N5Capital)」から、シードラウンドで「青山資本(CYANHILL CAPITAL)」から資金を調達している。
秀蛋に参加するのは全てバーチャルキャラクターだ。同アプリの最新版では、3D技術やAR(拡張現実)技術によって生成されたアバターが実際のユーザーに代わりアプリ内で活動する。現実を模した世界の中で、ユーザーは自分を投影した3Dアバターをリアルタイムで動かし、「もう一つの自分の世界」を創り出す。
AR技術が強化されたことで、アバターの詳細なカスタマイズも可能となった。従来の一般的なアバターとは異なり、ユーザーの動きをリアルタイムで再現することもできる。顔認識やフェイストラッキング(顔の各部の動きを追う技術)を導入したチャット機能では、ユーザーの表情をリアルタイムで再現する。モーションキャプチャーや重力センサーによって、よりリアルなコミュニケーションが図れるほか、背景の自動識別機能によって、ユーザーは自分のイメージを自在に再現・再構築できる。アバターをデザインすることによって、SNS上では「もう1人の自分」を表現できるのだ。
創業者兼CEOの楊許誉氏によると、同社が打ち出す「バーチャルSNS」は、見知らぬ人同士をつなげるマッチングアプリのさらに上を行く存在で、現実世界では表現できない別の自分を仮想世界で解き放つものだ。従来のマッチングアプリでは、コンテンツ生成やコミュニケーションの刷新は図れない。また、テキストや音声を主な伝達ツールとする従来型のSNSアプリでは、若年化が進むユーザー層の需要を満たせない。彼らは自己表現のニーズがより強く、実生活の中では吐き出せない気持ちをSNSで伝えたいと考えている。
「95後(1995年以降生まれ)」が30%以上、「00後(2000年以降生まれ)」が約40%を占める同アプリのユーザー層を長期にわたり観察・分析した結果として、秀蛋は3Dアバターを事業戦略の基礎に位置付けた。
ARや3Dアバターの技術を通じて、バーチャルなもう1人の自分が友人関係を築く。多角的なアルゴリズムによって新しい友人と出会い、仮想世界の中で一緒に映画を見たり、カフェに行ったり、ゲームをしたりと、多様なコミュニケーションを図れる。こうした仕組みは若いユーザーのコミュニケーションに対するニーズを満たすと楊CEOは考える。
「秀蛋」提供のデータによると、同アプリは最新バージョンへの更新後、登録ユーザー数が1000万人を超えた。翌日継続率は50%超で、アプリの起動回数は1日平均6回以上、利用時間は1日平均25分超となっている。
秀蛋のメンバーは、ソーシャルビデオアプリなどの分野で複数の起業経験がある人物のほか、テンセント、天涯社区網絡科技(Tianya Community Network Technology)、迅雷網絡技術(Xunlei Networking Technologies)などの出身。現在はシリーズAで資金調達を計画中だ。
(翻訳・愛玉)
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