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アニメや漫画などキャラクターグッズの店頭販売を手掛ける「IPSTAR潮玩星球」がこのほど、IPライセンスビジネスを展開する親会社の「艾漫(Aimon)」と合併した。全ての出資者と株主によって組織再編成が行われ、両社は一つの「大艾漫」となったことが明らかになった。再編後の艾漫は新たなシリーズで数千万元(数億円)の資金を調達した。
合併の理由について、艾漫の創始者兼CEOの呉偉誠氏は、「1年弱の期間行われた調整の結果、部門や会社の枠を超える連携の仕組みが必要だということがわかった。ユーザーに十分なサービスを提供するため、IPライセンスの取得から商品のデザイン開発、イベントマーケティングの企画、店舗オープンのデザイン制作、店員サービス等までの作業は一貫させなければならない」と語った。
コミュニケーションコストの削減、一貫したサプライチェーンの構築を進めるため、合併後の艾漫は既存の平面デザイン部、3Dデザイン部、運営部などの基礎部門を統合し、全体で約180人の組織体制を整えた。
2010 年に創業したライセンシングエージェント艾漫は、主にIPの営業代行とIP商品の開発、設計、販売等のサービスを行っている。現在傘下には300以上のIPを擁し、300以上のオンラインとオフラインの販売チャネルを展開している。小売りスペース「潮玩星球」は、不定期に開催されるアニメ・マンガ展覧会の場所だけではなく、長期的にファンが集まり、オフライン体験できる場所として、現在上海、北京、広州などの都市に9軒の直営店を擁している。
かつて年100回以上もアニメ・マンガ展覧会の開催や高頻度のポップアップショップの運営によって、艾漫は豊富なオフラインショップの経営ノウハウを蓄積した。現在、艾漫が運営しているショップは主に以下4つのタイプに分かれている。
1、IPテーマショップ。主にキャラクターグッズの販売、イベントを実施している。店舗の賃借は2年から5年だが、IPテーマは2、3か月ごとに入れ替わる。そうすることでファンが新鮮な気持ちで楽しめると同時に、ファンの再来場率と商品の再購入率を高めている。
2、IPテーマレストラン。重飲食(大掛かりな排気排煙設備が必要な飲食業)、キャラクターグッズの販売、イベントなどがメインで、面積は200平方メートル以上。
3、キャラクターグッズの販売店。販売カウンターを不定期にイメージチェンジする。
4、IP テーマインスタレーション(空間全体を作品として体験させる展示)とポップアップショップ。面積は広く、200-1000平方メートルの店内では大型のインスタレーション展示が行われ、各展示の開催期間は45日間から3か月間までと様々だ。展示会とポップアップショップのチケット、商品を取り扱う。
全体において、最も多いのはIPテーマショップだ。現在ショップの商品は全て同社が自社で開発しているが、飲食店の商品については委託提携先に開発と製作を依頼しているという。1カ月あたり坪売上が最も多い店舗では1.5万元(約24万円)で、単独店舗費用の回収サイクルは平均6カ月だ。
呉氏によれば、2019年における合併後の大艾漫は安定したペースでオフラインショップを展開している。より多くの都市に潮玩星球のオフラインショップをオープンさせ、協力パートナーと新たなショップタイプを開拓しながら、従来の飲食店チェーン、ファストブランド等と提携して新たな業態にも挑戦している。2019年には、オンラインとオフラインの融合を強化し、会員ユーザー体系を構築すると同時に、各種テーマショップの影響力と利益獲得能力を高め、売上収入の倍増を目指している。
将来はより多くのテーマ「密室」、IPをテーマにしたホテル等を開発、発表する。今年発表したお化け屋敷+伊藤潤二の没入型ホラー体験展は上海、重慶の2か所で開催され、延べ入場者数は1.5万人を超えた。
本シリーズの資金調達のリード・インベスター「米哈游(miHaYo)」の劉偉総裁はこう語る。「潮玩星球と艾漫の合併後、キャラクターグッズのデザイン、生産からオフライン販売までの全プロセスにおけるIPマネタイズソリューションについて、私たちはたいへん楽観的に捉えている。オフラインチャネルの強化によって、艾漫はIPライセンスを取得する能力が上がり、そしてオンラインの販売、ユーザーの定着とブランド普及も促進されるだろう。」
(翻訳・桃紅柳緑)
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