ソニーグループ、中国で「協生農法」の普及を推進

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ソニーグループの研究子会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)のシニアリサーチャーで、SynecO代表取締役社長の舩橋真俊氏はこのほど、上海市で新華社の取材に応じ、「協生農法」に関する取り組みについて語った。多種多様な植物を含む環境を人為的に作り、生態系の多様性を取り戻す取り組み「協生農法」を広める活動を精力的に行っている同氏は、「当初、協生農法の普及は企業の社会的責任(CSR)の一環として行われていたが、今ではより多くの人が主体的に参加するようになり、かつての『言われたからやる』から『自らの意思でやる』へと変わってきている」と手応えを感じている。  

協生農法は高密度の混植によって生態系の自己組織化能力を利用し、有用植物を栽培する革新的な農業技術で、ソニーCSLが開発。2020年に中国に導入され、無錫市(江蘇省)、恵州市(広東省)、上海市、蘇州市(江蘇省)で実証実験が行われた。現在では農園の面積は5千平方メートルを超え、200種類を超える作物を栽培している。  

ソニーは、二酸化炭素(CO2)排出量の30年までの減少転換、60年までの実質ゼロを目指す中国の「双炭」目標は、同社の長期環境計画「Road to Zero」と一致していると見ている。ソニーの計画では、同社の事業活動や製品のライフサイクルが地球環境に及ぼす負荷を2050年までに段階的にゼロとすることを目指しており、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の四つの面でそれぞれにゴールを設定している。2022年には、バリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(炭素中立)の達成目標を2050年から2040年へ、自社オペレーションでの再生可能エネルギー100%の達成目標を2040年から2030年へ、それぞれ10年前倒しすると発表した。  

ソニーによると、同社は中国で、使用電力を100%再生可能エネルギー電力で賄うことを3期連続、前倒しで達成し、累計約12万トンのCO2排出を削減した。  舩橋氏は「協生農法の普及は、一方では食糧問題の解決に貢献し、他方では生物多様性の保全に役立てることができる」とし、ソニーは中国で多様な事業を展開しており、将来的には、協生農法とソニーの中国での関連事業を組み合わせて、新しい事業分野を形成することも可能だとの見方を示した。  

また、「中国は協生農法を推進する上で最も重要な国の一つだ」と指摘。ソニーは今後も、中国固有の特産物、例えば茶葉や漢方薬などと組み合わせて積極的に模索を続けるとともに、地域の生態環境の最適化・向上に貢献していきたいと述べた。(新華社上海)

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