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中国のスマートフォン製造大手シャオミ(小米科技)が20日、2019年上半期および第2四半期の業績を発表した。上半期の売上高は前年同期比20.2%増の957億1000万元(約1兆4500億円)で、調整後の当期純利益は同49.8%増の57億2000万元(約860億円)、第2四半期の調整後の純利益は同71.7%増の36億4000万元(約550億円)だった。
コストパフォーマンスを最大のウリとしてきた同社だが、現在はコスパ至上主義からの脱却を最優先している。昨年に事業構成を再編し、今年からはミドルエンド~ハイエンド市場に注力した結果、今期の粗利率は前四半期の3.3%から8.1%に伸びた。価格が2000元(約3万円)以上のスマートフォンが携帯電話全体の売り上げに占める割合は32.3%に上っている。
シャオミはスマートフォン事業でサブブランド「Redmi」をスピンオフさせたほか、IoT事業も重視するようになっている。今年上半期、IoTおよび生活用品事業の売上高は270億元(約4000億円)で、総売上高に占める割合は前年上半期の22.7%から28.2%にまで伸びている。同社のプラットフォームに接続するIoTデバイスは、6月末時点で前年同期比69.5%増の1億9600万台に達した。
家電製品はIoT製品の中でも重要な位置づけにある。同社の雷軍CEOは4月、「家電事業はシャオミの今後10年の未来予想図において中核を担う1ピースになる」と明言した。主力製品のテレビは今年上半期、出荷台数が前年同期比64.9%増の540万台で国内最多を記録。エアコンの出荷台数も100万台に達している。
これらのハードウェア製品以外に、上半期のインターネットサービス事業の売上高も前年同期比22.9%増の88億元(約1300億円)と好成績を残した。同事業部門で新しく立ち上げられたIoT関連サービスや海外向けサービス、Eコマース、インターネット金融などの事業が業績を伸ばしており、今四半期にはこれらが事業部全体の売上高の36%を占めるまでになっている。
今年上半期、同社のECサイト「小米有品(Xiaomi Youpin)」のGMV(流通総額)は前年同期比113.9%増の38億元(約570億円)だった。6月単月でみると、GMVの65%を占める取引はシャオミ製スマートフォンのユーザーではない顧客によるものだ。小米有品が同社の主力事業であるスマートフォンから切り離されても、ECサイトとして自立できる存在になってきていることがうかがえる。
スマートフォン事業では、海外市場での売上高が全体の半分近くを占めるまでになっている。IT専門調査会社IDCの調べでは、今四半期の出荷台数は海外向けが国内向けを上回った。しかし、国内外ともに市場競争が厳しさを増しているのは事実であり、同社が単なるスマホメーカーからの脱却を図っているのは明らかだ。
(翻訳・愛玉)
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