ファーウェイ 今年のスマホ販売台数は2億4000万台と予想

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ファーウェイ 今年のスマホ販売台数は2億4000万台と予想

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中国通信機器大手のファーウェイ(華為技術)は、8月9日に開幕した開発者向けイベント「Huawei Developer Conference 2019」で、独自OS「Harmony OS(鴻蒙OS)」を正式に発表した。今後3年間で技術面のブラッシュアップを図ると共に、ウェアラブルデバイス、スマートTV、車載システム等、対応製品を増やしていくという。

コンシューマー事業グループ最高経営責任者(CEO)の余承東氏は「Harmony OSは、すでにスマートフォンへの搭載が完了しており、商用レベルに達している」とした上で、エコシステムへの配慮から当面はAndroid OSを優先的に使用するとした。一方、Android OSが使えなくなれば、いつでもHarmonyOSに切替え可能だと述べた。

また、Harmony OSの特徴として、以下の3点をあげた。1つ目はオープンソースであること。2つ目は時間確定的処理が可能なエンジンを搭載していること。3つ目はセキュリティーに優れていること。航空宇宙やマシンオートメーション等の産業分野にも適しているという。

今回話題となったのはHarmony OSだけではない。米政府の制裁措置がスマートフォンの販売にどのような影響を及ぼしたのかも大きく注目された。余CEOはこの話題を避けようとはせず、「今年の販売台数は、貿易戦争の影響がなければ3億~3億1000万台に達するだろう。実際は恐らく2億4000万台に留まるが、世界一は無理でも、2位にはなれるだろう」と語った。

ちょうどこの日50歳の誕生日を迎えた余CEOは、ファーウェイに勤めて27年になる。自身について「引退を考えたこともあったが、やるべきことがある」と述べ、貿易戦争によって、ファーウェイがOSやチップの開発を急がざるを得なかったことに触れた。

アリババやマイクロソフトといった巨大企業とのOS開発競争に話が及ぶと、余CEOは「それらの企業は、端末などのハードウエアが弱い。ファーウェイは年間3~4億台の端末を出荷しているため、エコシステムを容易に構築でき、アプリを急速かつ安定的に移行させることが可能だ。一夜にしてHarmony OSにアップデートすることだってできる」と、ファーウェイの強みを語った。

余CEOへのインタビュー(一部抜粋)

――上半期の業績をどう見ていますか。

「米国の制裁措置がコンシューマー事業に大きな影響を与えた。第2四半期におけるコンシューマー事業は成長著しい海外市場によって世界一を記録すると予想していたが、制裁の影響で大きく落ち込んでしまった。今業績は制裁前の80%、制裁前の水準まで回復した国もある」

――民族感情がファーウェイにどんな影響を与えていますか。

「愛国を常に強調するだけでは、物は売れない。最も大切なのは良い製品を作ることであり、例えばファーウェイのスマホは、iPhoneと異なり、再充電なしでも丸一日使える。ファーウェイのパソコンの販売台数も大幅に伸びており、中国国民の支援や愛情には感謝している」

――Harmony OSにどれだけの人材を充てていますか。

「今は4000~5000人だが、当初はこれほどの規模ではなかった。今は短期間でブラッシュアップする必要があるため、5000人弱を配置している」
「ファーウェイは各分野で非常事態を想定して代替案を準備しているが、貿易戦争がこのプロセスをさらに加速させた。次世代OSなどの最先端分野において、世界トップレベルの専門家を擁している」

――どのように開発者を支援していますか。

「開発者により多くの利益をもたらす仕組みを常に考えている。オープンな開発支援プラットフォーム「耀星」を通じて開発者支援に注力し、四半期毎に数億元(数十億円)の資金を投じている。開発されたアプリが運用されれば、ファーウェイ側の受け取る手数料を減らし、より多くの利益を開発者側が得られることになる」

――海外市場で成功するために必要なことは何ですか。

「まずは心を決めて、続けること。次にその国の法律を遵守し、優秀な人材を集め、現地の社会に溶け込むこと。海外で事業を営むには、その国にとって良い企業となることが大切だ」

――海外市場でどのような困難に直面していますか。

「海外市場は減速傾向にあるとはいえ、やはり拡大している。現在、米国の一部の消費者が『もうファーウェイのスマホは使えない』と不信感を持っているが、問題がないと分かれば信頼は回復できる。しかし、米政府の制裁措置により新製品が輸出できなくなってしまった。もし今後も許可が下りなければ、独自OSを使うしかない」

――独自OSの開発で難しい点は何ですか。

「枠組み作りがボトルネックだ。中でも各ハードウェアにOSを対応させる必要があるため、ファーウェイは独自のIDE(統合開発環境)も提供する。当面の課題はエコシステムの構築である。Android OSをHarmony OSに切替えることも可能だが、まずは米国の今のエコシステムを優先したい」

――日韓の半導体材料輸出規制はファーウェイに影響しますか。

「全く影響ない。ファーウェイはリスクを減らすため、分散型供給を原則としており、複数のチャネルを通じて供給の安定性を保証している」

――EMSメーカーのフレクストロニクス社によるファーウェイ資産差し押さえ問題の影響をどのくらい受けましたか。

「この問題による損失は大きい。ファーウェイは何の違法行為も行っていないのに、フレクストロニクスはパートナー企業として、適切ではない行動をとった。今は影響も落ち着き、別の方法でこの損失を補っている」

――Harmony OSスマホはいつ発売する予定ですか。

「いつでも発売できるが、理由があって発売しない。ただ、Harmony OSは今後改良され、もしAndroid OSユーザーがHarmony OSを使いたいと言えば、複数の言語や色々なAndroidに対応した翻訳を一度に事前に行う翻訳機方舟(Ark)コンパイラ等、一部の機能をAndroid上で使用可能にすることもできる。そうすればAndroidのOS実行速度を大きく向上させられる」

――5Gはどんな影響をもたらすと考えていますか。

「5G時代は急速に近づいており、ファーウェイも『Mate30』から全面的に5Gに対応する。今後は2000~3000元(約3万~4万5000円)のミドルレンジモデルも5G化が進むだろう。スマホメーカーに話を聞くと、5Gに興味はあるものの、Harmony OSはファーウェイ専用のOSだろうと不安に思っているようだ。しかしHarmony OSは誰でも使えるオープンなOSなので、安心してほしい」
(翻訳・桃紅柳緑)

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