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中国大手ECサイトの「拼多多(Pinduoduo))」は8月21日、2019年第二四半期(4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比169%増、前期比60%増の72億9000万元(約1093億円)で、市場予測の61億1300万元(約917億円)を上回った。
営業損失は前年同期比345%減、前期比ではほぼ横ばいの14億9040万元(約223億円)で、市場予測の25億5200万元(約383億円)を大きく下回った。また、非支配株主に帰属する当期純損失は、10億330万元(約150億円)と前年同期の64億9390万元(約974億円)から大幅に縮小し、市場予測の13億8000万元(約207億円)もはるかに下回った。非GAAPベースでの非支配株主に帰属する当期純損失は、前期比70%減の4億1130万元(約62億円)となった。
市場予測を上回る業績を好感し、拼多多の寄り付き前の株価は6%上昇した。
売上原価に関しては、販売費および広告宣伝費は前年同期比105%増、前期比27%増の61億370万元(約920億円)だった。売上原価率は83.6%で引き続き減少しており、集客コストの管理が奏功した。売上原価の増加は、主に今年の「618」セール期間中に各社ブランドと共同で「百億補貼(100億元=約1500億円分の値引き)」計画を実施したため。これによりセール中の実注文数は11億件を突破し、販売額は前年同期比300%増となった。
アリババとJD.com(京東商城)が今年に入って地方都市のユーザー獲得にも注力する中、拼多多も関連費用を大々的に投入し、月間アクティブユーザー数(MAU)とアクティブバイヤー(頻繁に買い物をする顧客)数を順調に伸ばしている。拼多多アプリのMAUは前年同期比88%増、前期比73.6%増の3億6600万人で、ユーザー数の伸びが回復した。
6月末の時点で、同社の地方都市におけるユーザー数は前年同期比7220万人増となり、Eコマース業界全体の平均純増規模を上回り、アリババ傘下の「タオバオ(淘宝)」や「天猫(Tmall)」に並んだ。またプラットフォームの年間アクティブバイヤーは前年同期比41%増の4億8320万人で、1億3960万人の純増となった。アクティブバイヤーの伸びは注文数を牽引しており、今年上半期の注文数は70億件を突破した。
MAUやアクティブバイヤーの伸びに加え、平均消費額も前年同期比でほぼ2倍となっており、注目に値する。今年3月末までの1年間で、拼多多のアクティブバイヤーによる年間平均消費額は、前年同期比92%増の1467.5元(約2万2000円)となった。これは上述の「618」セール期間中の高単価商品に対する大幅値引によって、客単価が著しく上昇したことと関係している。「安信証券(ESSENCE SECURITIES)」は以前、拼多多の年間GMV(流通総額)はアリババと京東から大きく遅れをとっており、客単価の面で大きなポテンシャルがあると指摘した。予想を上回った今期の業績により、この予測は裏付けられたといえる。
拼多多の業績は好調だが、隠れた問題も抱えている。データ分析企業Analysysによれば、拼多多とタオバオのアクティブユーザーの重複率は72.4%に達しており、今後は大きなユーザー増が望めない可能性が高い。
「富途証券(Futu Securities)」の分析によれば、現時点ではブルームバーグのアナリスト21名が拼多多の株を「買い」と評価しているが、目標株価は27元(約405円)と、現在の株価をわずかに上回るにすぎない。この結果は、市場が短期的には拼多多のユーザー獲得と収益化を、また長期的にはGMVの不確定性を不安視していることを表すものだ。
(翻訳・神部明果)
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