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7月8日、中国のビジネスニュースメディア「晩点(LatePost)」の報道によると、人気ドリンク専門店「喜茶(HEYTEA)」は近いうちに新たな資金調達を決定するという。騰訊控股(テンセント)とセコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本)がリードインベスターとなり、調達金額は90億元(約1336億円)に達する見込みだ。最近では人気ティー専門店「奈雪的茶(naixuecha)」が投資銀行と交渉しており、来年米国での上場を計画しているという情報もある。中国の茶飲料市場におけるトップ2社の争いが始まろうとしている。
2社以外の勢力の追い上げもその勢いを増している。二級都市を拠点とする茶飲料の新興ブランド「茶顔悦色(Modern China Tea Shop)」は最近資金調達に成功している。中国の企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」のデータによれば、「蘇州元初投資合伙企業」が株式保有比率6.32%の株主として新たに茶顔悦色の運営に加わったという。
2013年、湖南省長沙市で創業した茶顔悦色は、現在長沙市に100店舗以上出店しており、市内の大半をカバーしている。茶顔悦色の創業者である呂良氏は、「30店舗を超えた時はブランド作りの必要性を感じた。50店舗を超えた時は、企業カルチャーの必要性を感じた。顧客が増えるにつれて、新たな課題が見えてきた」と語った。
高品質なサービスの提供を経営理念と位置づけている茶顔悦色は、規模の拡大については極めて慎重だ。現時点では長沙市にのみ直営店を設け、加盟は受け入れておらず、長沙市以外の地域へは出店していない。このような安定成長志向の出店戦略では、店舗拡大の速度をかなり犠牲にするが、地域化経営により品質管理とブランド構築が徹底されており、ユーザーの好印象を生みだしている。
しかし、商標の保護は十分ではないことが判明した。今年4月、韓国に留学した学生が茶顔悦色の商標を韓国で登録したことがウェイボー(微博)で話題となった。茶顔悦色のブランド価値が証明された一方、この事件をきっかけに、今後は商標保護にも力を入れていくとしている。
「少なくとも2019年はじっくり考える時間が欲しい。創業以来、最初の3年間は無我夢中だった。続く2年でようやくブランド作りやマネジメントが規模拡大に必要な条件だと気付いた」と呂良氏は語る。
全国展開をしなかったもう一つの理由はサプライチェーン等が成熟していないことである。拡大前夜にある茶顔悦色は今年もサプライチェーンの構築、経営情報のデジタル化と人員の訓練、そして業務プロセスの改善など一連の準備作業に取り掛かる。
2018年における中国の茶飲料市場は爆発的な成長を遂げている。2018年第3四半期現在、全国の茶飲料店舗は41万店に達し、1年で74%成長している。そのうち一級都市では59%、二級都市では120%、三級とそれ以下の都市では最高138%の伸びを見せている。いくら慎重な茶顔悦色でも、これほど大きな市場に直面したら心が動かないはずがない。しかし、拡大に向けて、人材の獲得にしろ、経営資源の獲得にしろ茶顔悦色にはまだ時間と努力が求められる。
(翻訳・桃紅柳緑)
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