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近ごろ、台湾の高雄市で新しいスタイルのファミリーマートが登場した。ショッピングやランドリー、コーヒースタンドなどが結集した新しいタイプのコンビニだ。
これまでのコンビニのコンセプトは、いつでも開店していて、すぐに買い物ができるという利便性を売りにしたものだったが、この新しいコンビニは、顧客にワンストップ式で上記のサービスを体験してもらい、滞店時間を伸ばすというものだ。
ファミリーマートが出店したこの新しいタイプのコンビニは、高雄市の中心エリアに位置し、周辺は大きなビジネス街だが、付近には地下鉄の駅や住宅街、ショッピングモール、オフィスビル、図書館などもあり、ビジネス街と生活エリアが一体となった地区だ。
店内の雰囲気やスタイルは明らかに既存のコンビニと異なっている。暖色を基調にした居心地の良い雰囲気に加えて、店内スペースの大半は座席が40席も設けられた休憩スペースで、さらにコーヒースタンドや日用品の販売コーナー、ランドリーが設けられている。
「Let’s Cafe」は、キャッシャーとコーヒースタンドを一体化するという初の試みがなされており、「コーヒーも売るコンビニ」のスタンスから「コーヒータイムを楽しめるコンビニ」というスタイルに転換を図った。
店内は300平米以上の小さなスーパーマーケット並みの広さだが、商品棚は少なく、コーヒースタンドの先に幾つか設けられているのみだが、商品配置には意欲的なチャレンジがみられる。棚に並ぶ商品は食品や飲料、おやつ、日用品が揃うが、野菜や果物、卵、米、調味料などの生鮮食品に大きなスペースを割いている。
店内に設けられているランドリーコーナーは最大の目玉だ。店内にはセルフ式の洗濯乾燥機が4台(大型1台、中型3台)、さらに乾燥機が1台備えられている。ファミリーマートのアプリを使えば、スマホで洗濯乾燥機の稼働状況を確認できる。
全体的な印象としては、独身の若者たちをターゲットに実生活に役立つサービスを一体型で提供しているサービスステーションで、ランドリーで洗濯が仕上がるのを待っている間、友人とコーヒータイムやおしゃべりのひと時を楽しんだり、また仕事や用事を行ったりと店内での過ごし方はさまざまだ。そして洗濯が終わると、自宅で調理するための生鮮食材を買って家に帰る。コンビニで日常生活の用事を幾つも済ませることができるのだ。
広々とした休憩スペースにランドリーやコーヒースタンドを兼ね備えたこの新しいコンビニのスタイルはこれまでのコンビニとは非常に異なるものだが、ファミリーマート台湾法人によると、既存店より20~30%も業績を伸ばしているという。
台湾ではこの数年、セルフ式のランドリーサービスが流行しており、ファミリーマートはコンビニとしてはいち早くこのサービスを導入し、独身者や若い夫婦を中心に人気を博している。
従来のコンビニとはコンセプトが異なるこの新業態は、コンビニの付帯サービスとしてすでに定着している銀行ATMや郵便、宅配、チケット販売に加えて、顧客の日常生活をより便利にすることに重きを置いている。モバイルインターネットが発達しているエリアでは、このようなサービスの導入を考慮する価値は大いにあるだろう。
(翻訳・虎野)
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