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中国バイトダンス(字節跳動)傘下の動画投稿プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」が、米国でまたしても危機に見舞われている。
米連邦議会下院の「中国問題特別委員会」は3月5日、外国の敵対勢力が支配するアプリから米国人を保護する法案を提出し、バイトダンスに対してTikTokの米国事業を切り離すよう求めた。同法案が成立した場合、バイトダンスが165日以内にTikTokを分離しなければ、アップルやグーグルなどのアプリストアでの配信が強制的に停止され、米国の他の企業との取引が禁止される。
下院エネルギー・商業委員会は3月7日に同法案を可決、今後は下院・上院での審議・採決に移る。
TikTok側もすぐさま反撃に出た。米国のTikTokユーザーに対し、「TikTokが米国で使用できなくなるのを阻止しよう」「TikTokがあなたにとってどういう意味を持つのか議会に知らせて反対票を投じさせよう」というポップアップ通知を送ったのだ。
複数メディアの報道によると、TikTokユーザーからの電話が下院の事務室に殺到したという。
米国はTikTokユーザーが世界で最も多い国だ。1月31日に開かれた上院司法委員会の公聴会でTikTokの周受資CEOが証言した際に公表した最新データによると、米国では毎月1億7000万人以上がTikTokを利用しているという。
米国では2023年下半期以降、TikTokの電子商取引(EC)事業「TikTok Shop」も急拡大し、ブラックフライデー当日だけでGMV(流通取引総額)が3400万ドル(約50億円)に上った。TikTok専門の調査会社「FastMoss」は、24年末には米国における1日当たりのGMVが1億ドル(約150億円)を突破すると予測している。
TikTokはこの3年間に、米国で一度ならず絶体絶命の状況に追い込まれている。まず2020年、当時のトランプ大統領がバイトダンスに対して米国のTikTok事業の売却を命じたが、これは立ち消えになった。そして23年3月23日には、下院のエネルギー・商業委員会がTikTokに対し公聴会を開いた。5時間におよぶ聞き取りは世間を騒然とさせたが、それでもTikTokの勢いを止めることはできなかった。
TikTokがこれまで幾度も危機を逃れてきたこともあり、今回もまた危機を回避できるだろうという見方が大勢だ。さらに、24年11月に実施される予定の米大統領選挙に向け、バイデン大統領の選挙チームは2月にTikTokの公式アカウントを開設、ショート動画の投稿も再生回数も非常に多い。これもTikTokの命運を左右する要素のひとつになるだろう。
この法案について、TikTokの広報担当者は「1億7000万人の米ユーザーにとっては合衆国憲法修正第1条にうたわれている権利を踏みにじるもので、小規模企業500万社にとっては事業拡大と雇用創出の基盤を奪うことになる」とコメントしている。
*2024年3月12日のレート(1ドル=約147円)で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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