人気上昇「花見ツアー」、春の旅行市場をけん引 ニッチな場所も話題

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中国各地で春の花々が一斉に開花するこの時期、花見は最も人気の行楽の一つに数えられる。オンライン旅行大手・同程旅行が発表した「2024年行楽シーズン旅行動向報告」によると、3月の花見ツアーの人気は前年同月比4倍以上で春の旅行市場の目玉となっている。
 
今春の花見ツアー市場の特徴は「長短併存」という言葉で表すことができる。旅行期間が5日間以上の中長期コースと3日間以内の短期コース、どちらも観光客から支持されている。旅行サイト「去哪児」のデータによると、花見ツアーの主要顧客層は「90後」(1990年代生まれ)。その大半は親や子どもを連れた家族旅行で、マイカーや小グループによる2~3日程度のツアーを選ぶ。「00後」(2000年代生まれ)は個人手配の旅行で遠出する傾向にある。従来とは異なる旅を味わいたい旅人向けから週末の小旅行でリラックスしたい会社員向けまで、多様化するニーズに合わせてプランも多彩になっている。
 
花見の楽しみ方にも変化が見られる。西蔵自治区林芝(ニンティ)市で桃の花観賞と氷河トレッキング、四川省西部で梨の花観賞と本場のチベット族の生活体験など、自分の興味や好みに応じて、現地でしか体験のできないアクティビティと花見を組み合わせた楽しみ方が注目を集めている。ここ数年、浙江省の杭州西渓国家湿地公園や北京市の世界花卉大観園、湖北省武漢市の武漢園博園などでは、花見と伝統文化を組み合わせ、花の神をまつる伝統行事「花朝節」や花神パレードなどのイベントを打ち出している。大まかな統計によると、2023年に各地で行われた花朝節関連のイベントは200を超えた。今年は同様の花見イベントがさらに増え、より多くの観光客を引き付けることが見込まれる。
 
花見スポットは「名所」と呼ばれる場所だけではない。最近では「ニッチ」な場所が話題を集めている。数万ムー(1ムー=約667平方メートル)の茶園を何万本もの桜が彩る福建省の永福桜花園、菜の花が埋め尽くす安徽省宣城市績渓(せきけい)県家朋郷の棚田、コブシの古木が花をつけ白く染まった四川省綿陽市の九皇山などはどれも旅慣れた人々だけが知る「隠れた花の名所」と言える。
 
アウトバウンドの花見ツアー市場も急成長しつつある。日本の桜を観賞する定番コース以外にも、3~4月のオランダ・チューリップ観賞コースやブルガリアの「バラ祭り」に合わせて5月末に出発するコースなど、少人数で行く高品質な旅やプライベートツアー商品にも注目が集まっている。(新華社北京)

中国観光業界が日本人ツアー客を受け入れられない理由

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