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米国土安全保障省は4月5日、少額輸入小包の関税を免除する「デミニミス・ルール」の対象となる商品の検査を厳格化すると発表した。
デミニミス・ルールの目的は、米国の庶民が高品質・低価格な輸入品をより安く購入できるようにすることだ。2016年以前の対象は200ドル(約3万円)以下だったが、現行の対象は800ドル(約12万円)以下となっている。
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この制度は、中国の越境電子商取引(EC)業界の成長を直接後押ししてきた。中国の越境ECプラットフォームが取り扱う小型家電やアパレル製品、日用品などは、ほとんどが800ドル以下だからだ。
米税関・国境警備局によると、23年は約10億個の小包がこの制度を利用して米国に輸入された。米政府は、このうち約6割が中国から発送され、さらにその大半を米国で圧倒的な人気を誇る中国発の格安越境ECの「Temu(ティームー)」と「SHEIN(シーイン)」が占めたと推定している。
米調査会社センサータワーによると、米国では24年1月時点でTemuの月間アクティブユーザー数(MAU)が5000万人余りとなり、アプリのダウンロード数も1億2300万回を超えたという。しかし、デミニミス・ルールの審査は厳格化し、今後は撤廃される可能性もある。免税措置がなくなれば、中国越境ECの価格的優位性は大きくそがれることになるだろう。
*2024年4月23日のレート(1ドル=155円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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