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「とにかく重要なのはスピードだ」。独フォルクスワーゲン(VW)の中国事業を統括するブランドシュテッターCEOは、目まぐるしく変化する中国市場で主導的な地位を維持するためには、一にも二にもスピードアップだと考える。
同CEOは先月17日の記者会見で、中国市場では車種のモデルチェンジが3年ごとに、アーキテクチャのアップグレードが2年ごとに、車両のOTA(Over The Air)更新が毎月なされていることに触れ、フォルクスワーゲンの中国事業もこのペースについていきたいと改めて強調した。
このペースについていくために同CEOが発表した新プランは、中国電気自動車(EV)メーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」と共にE/E(電気・電子)アーキテクチャ「CEA(China Electrical Architecture)」を開発し、向こう2年以内に車両に搭載するというものだ。計画どおりに進めば、フォルクスワーゲンも「チャイナスピード」を実現することができる。中国事業の研究開発について、もはや9000キロ離れたドイツの本社に指示を仰ぐ必要はないことを、同CEOは強調した。
自動車の電動化とスマート化が進む中、中国の自動車メーカーは開発スピードを武器にグローバル企業に挑み始めており、市場シェアをじわじわと奪いつつある。中国市場におけるフォルクスワーゲンのシェアは2023年が14%と、5年前の18%から減少している。
CEAはゾーン型のE/Eアーキテクチャとして小鵬汽車、フォルクスワーゲン(中国)科技(VCTC)とフォルクスワーゲンのソフトウエア子会社CARIAD中国が共同で開発した。このアーキテクチャはOTAによる無線アップグレードが可能で、車両に搭載された運転支援機能などを継続的に更新・拡張することができる。
2026年以降に中国で生産されるフォルクスワーゲンのEVにはすべてCEAが搭載される予定で、まずは現地開発用のEVプラットフォームCMP(China Main Platform)と、それをベースに生産されるエントリーモデルの4車種に導入される。
さらにCEAはフォルクスワーゲンと小鵬汽車が共同開発する2車種にも搭載され、インテリジェント性能を高めることが期待されている。2車種は2026年に発売予定で、最初の車種は SUVとなる見通しだ。
フォルクスワーゲンは先月11日、中国での研究開発戦略を確実に進めるため、安徽省合肥市にある生産・イノベーションセンターの拡張に25億ユーロ(約4100億円)を投じた。この拠点ではフォルクスワーゲンと小鵬汽車が共同開発する2車種も生産されるという。
ブランドシュテッターCEOは、ハイブリッド車やガソリン車、EVなど複数車種の開発を継続しながら、より優れた製品を提供して市場の需要に応え、それぞれの分野で自社の地位を固める方針を示した。
作者:億欧汽車(WeChat公式ID:EO-AUTO)
*2024年5月6日のレート(1ユーロ=165円)で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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