セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
米アップルが「iPhone 16」を発表したのと同じ9月10日、中国通信機器大手のファーウェイ(華為技術)は注目の三つ折りスマートフォン「Mate XT」を発表した。 業界初の量産化に成功した三つ折りスマートフォンで、価格は1万9999元(約40万円)からで、ファーウェイ史上で最も高価な携帯電話だ。
Mate XTを広げた際の画面サイズは10.2インチ(1画面の状態では6.4インチ、2画面では7.9インチ)に達し、厚さはわずか3.6mmで、業界最薄の折り畳み式スマホである。 また、同社が独自開発したヒンジシステム(結合部分の設計)により、折り畳み式のディスプレイで初めて内側と外側両方に曲げられるようにした。
既存の折りたたみスマホの画面比は通常1:1に近く、映画鑑賞やオフィスでの作業での使い勝手はあまり良くない。 三つ折りスマホの強みは、画面が大きく、画面比が16:9に近く、オフィスや娯楽などの利用シーンで、PCやタブレットと同様の視覚効果を得られる。
ファーウェイは三つ折りスマホのディスプレイに、業界最大の極薄版ガラスUTGを採用し、耐衝撃性を30%向上させた。 さらに、3つのバッテリーが搭載されており、合計容量は5600ミリアンペアで、それぞれの電池の厚みはわずか1.9ミリだ。 ファーウェイのコンシューマービジネスグループの余承東(リチャード・ユー)CEOは、これを世界最薄のスマホ用バッテリーだと述べた。ほかにも、Mate XTは衛星通信に対応している。
注目すべきことは、ファーウェイは同時に、三つ折りスマホにさらにポケットに入る「折りたたみキーボード」をセットにして、「ポケットの中に入るパソコン」を実現させたことだ。
余氏は、三つ折りスマホのコストは確かに非常に高いが、その後は工程を継続反復することで、歩留まりが向上し、コストが削減されると述べた。
IDCのデータによると、2023年7〜9月期から2024年4~6月期にかけて、中国市場の折りたたみスマホの販売台数は高成長を続け、今年4~6月期の販売台数は前年同期105%増の257万台に達した。 ファーウェイの販売シェアは今年上半期、2四半期連続で40%以上を維持し、首位になった。 中国の調査会社「iResearch」によると、1万元(約20万円)以上のハイエンドスマホ市場でのシェアはファーウェイが67%を占めた。
今年下半期、中国の小米科技(シャオミ)や栄耀(Honor)、韓国のサムスン電子などが相次いで新型折りた畳みスマホを発表し、市場はさらに拡大されるだろう。
9月10日時点で、Mate XTは公式サイトですでに400万台以上の予約が殺到している。中国のフリマサイトでは、Mate XTの一部モデルの転売価格がすでに7万元(約140万円)に迫っている。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録