洗濯や食器洗い、豆腐もつかめる⋯家事をこなす人型ロボット「UniX AI」、米イェール大の中国人学生が創業

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米国の名門大学生が起業する話は珍しくないが、ついに2000年代生まれの創業者が登場するようになった。

米イェール大学の博士課程に在籍する中国人の楊豊瑜(Fred Yang)氏は、人工知能(AI)搭載の人型ロボットを開発する企業「UniX AI(優理奇科技)」を設立した。最初に開発したのは、洗濯やハンバーガー作り、皿洗い、そして子どもの家庭教師もこなす家事ロボットだ。

中国に戻って起業する際、若い楊氏は人材採用に苦労したという。創業チームを組織する時には、20歳も年上の専門家をチームに招き入れるために三顧の礼を尽くし、1度の面会で8時間以上話し合ったこともあった。その結果、上海交通大学の特任教授でロボット国際会議「IROS 2025」の責任者・王賀昇氏をチーフサイエンティストに招聘できた。現在、チームメンバーは米国と中国の両国にいる。

UniX AIの人型ロボットは、車輪と2本のアームが付いており、家庭用として移動性と安全性に優れている。家の中に散らばった衣類を自動的に検知し、拾い上げて洗濯機まで運ぶほか、食後の皿を回収して洗ったり、床を掃除することもできる。

衣類を洗濯機に運ぶロボット

7自由度のアームは、人間の腕のような細かい動作が可能だ。また、独自に開発した3本指のロボットハンドは器用な動きが得意で、ボールペンや豆腐といった扱いが難しい物体をつかむこともできる。

豆腐をつかむロボット

楊氏は、技術的なポイントを絞ってロボットの開発を進めた。多くの企業が用途に合わせたロボット構造やソリューションの開発を進めるなか、UniX AIは特に脚付きロボットのバランスや動きを制御する「小脳」とハードウエアに重点を置いて、人型ロボットのソフトウエアとハードウエアを独自に開発し、ロボットの操作性と汎化能力を高めてきた。

また楊氏は、ロボット操作システムにおける「触覚」の重要性を強調している。同氏が率いるチームは、触覚や視覚、言語の情報を組み合わせることで、環境に対するロボットの認識・理解力を向上させる触覚マルチモーダル大規模言語モデル「UniTouch」を開発した。このモデルは、ロボットの操作精度を上げただけでなく、ロボット技術の発展に新たな方向性をもたらした。

UniX AIは、ロボットを量産するために強力なサプライチェーン管理能力を発揮している。自動車のメルセデス・ベンツや家電のハイアールなどの大手企業から、製造やコスト管理で経験豊富なサプライチェーンの専門家を招聘。さらに、ロボット工学や家電・自動車・航空宇宙業界の専門人材を集め、ロボット量産の基盤を築いた。

多くの困難があるとはいえ、楊氏は自社の成長を確信している。今後は消費者の需要に応えるため、スピード感のある製品改良とフィードバックを通じて品質向上に努める方針で、9月には人型ロボット100台の量産を開始する予定だという。

(翻訳・大谷晶洋)

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